猫田に小判 -新館 -

Last Modified: 2021/09/13(Mon) RSS Feed

2019年03月 この範囲を時系列順で読む この範囲をファイルに出力する

漆の小分けにシリンジを使うという案

No. 14 :

#金継ぎ #ガラス用漆 #シリンジ #どうでもいい思い付き

前回このブログが実はディープウェブになっていると判明しましたが気にしませんよ。辿り着く人だけが見られればいい。という事で、今回はネットを検索した限りでは誰もやっていない漆の小分けの話。

仕事柄、ほぼ毎日漆を練ったり塗ったりしているが、そもそも金継ぎで使用する量というのはたかが知れている。たかが知れているけれども、それでも漆は樹木の貴重な樹液、つまり献血の血液みたいなものだから出来ることなら1滴たりとも無駄にはしたくない。それ故に、接着用の漆や錆漆の最適混合比というのをブログ( nekotani.lix.jp/diary/index.php?page=18 )に掲載して、出来るだけ必要量を的確に作れるよう思案しているわけである。
だが、チューブの漆は、ちょっと押す加減を間違えると多めに出てしまったりする。しかも、金属製のチューブの場合、出し過ぎを戻すのは結構な難度である。漆がラミネートチューブで売っていれば多少は戻したり、また、最後の1滴まで出し切る事が可能だと思うが、私が知る限りにおいてラミネートチューブの漆は見たことがない。
それから、大きいチューブを買ってそのまま使っていると、どんなにエタノールで綺麗にしながら使ってもチューブの口に少しずつ漆が固着してきて蓋が開きにくくなるし、そもそも都度、エタノールで拭くのも漆が勿体無いので、私の場合はネットで小さめの金属製の空チューブを購入して、漆は小分けにして使っているのだが、空のチューブは意外と高かったり、届いてみたら潰れていて規定量が入らなかったりと案外面倒。

そうした諸々の問題を何とか打開出来ないものかと常々考えていたのだが、ある日ふと思いついた。シリンジ(注射器の筒)で漆を管理すれば、規定量を出すのも、出し過ぎを戻す事も容易ではないか。というわけで、早速、シリンジを購入。実際にシリンジで漆を管理出来るのか試してみた。
で、結論から言うと、シリンジで漆を小分けにする作戦はかなりオススメ出来る。むしろ金継ぎ用の漆はシリンジで売って欲しいと思うほど。空チューブよりシリンジの方が安いし、空チューブのように使い捨てではなく使い回しが出来るし、最高。

ただし!1点だけ難関がある。それは漆をチューブからシリンジに移す事。漆は粘度が高く、細いシリンジに入れたり密閉するのに一苦労。そこで出来るだけ簡単にチューブの漆をシリンジに移せる方法が無いものかと考え、やっと良い方法を見つけたので公開させて頂く。写真を見れば大体、やり方は分かると思うので簡単な説明と注意点だけ付けておく。


シリンジ

用意するのは、テルモのシリンジ。テルモじゃないとダメですか?という疑問があると思うが、テルモでお願いします。実は最初に近所のホームセンターで押出棒にゴムの無いシリンジを買ったのですが、まぁ押出し難いし引っ張れないし扱いにくいことこの上ない。ですので是非とも押出がゴムのテルモのシリンジでお願いいたします。ちなみに私はAmazonで試しに2.5ml(10本で400円)を買いましたけど、ちょっと小さすぎました。でも金継ぎをする頻度でも変わるので、あまりやらない人は2.5mlで十分かも。


シリコン

それから、ダイソーで売っている熱湯で柔らかくするシリコン粘土。樹脂加工が趣味の人は知っていると思いますけど、いわゆる型取り用シリコン。これで漆が漏れないようにチューブとシリンジを繋ぎます。それと、シリンジ用の蓋を作ります。




では、始めましょう。まず、漆のチューブの口に、空のシリンジの先を突っ込みます。チューブが下、シリンジが上です。逆にするといきなり漆が出ますから絶対にこの配置で。




次に、温めて柔らかくなったシリコン粘土でチューブとシリンジが抜けないよう密着させて塞ぎます。ここで隙間があると、当然、漆が漏れてきて大惨事になるのでしっかりと密着させて下さい。ちなみに、セロテープなどで止める事も出来ますが、テープは後で外すのが大変なので私はシリコンをオススメ。シリコンだと冷えて固まれば簡単に外せます。


蓋

シリコンが冷えて少し硬くなってきたら、チューブが上、シリンジが下になるようにしてから、ゆっくりとシリンジの棒を引っ張って漆をシリンジに吸い込ませます。
ひっくり返さずシリンジが上のまま吸えるかと思いましたが、上手く吸えなかったので、ひっくり返した方が良いと思います。

適量を入れたら、チューブが下、シリンジが上になるように戻し、ゆっくりとシリコンからシリンジを引き抜き、シリンジの口をエタノールで綺麗に拭きます。シリンジの口は細く、棒を押さない限り漆が出てくることはないので焦らずゆっくり作業して下さい。


蓋

最後に、温めて柔らかくしたシリコン粘土を口元に押し付け蓋にして終了。蓋にするシリコンは多めに使う方が密閉性が高く、また、取り外しも楽です。

あ、チューブのシリコン粘土も取り除いてチューブの蓋を閉めるのをお忘れなく。
ちなみに、チューブとシリンジを繋ぐのに使ったシリコンのアタッチメントは、同じチューブとシリンジであれば何度も使いまわしできますので保管しておきましょう。

<追記>
シリンジ漆の使い方が分からない方がいらっしゃると困るので。
シリンジに入れた漆を使用する時は、シリンジを上に向けてから軽く棒を引き、それから少しずつ棒を押して口元の空気を抜き。最後に下を向けて適量を出します。いきなり押すと漆が飛び出る事がありますので注意して下さい。

〔 2326文字 〕 編集

2019年02月 この範囲を時系列順で読む この範囲をファイルに出力する

このサイト、ディープウェブにつき

No. 13 :

#徒然なる日記

このブログ、検索で引っかからないですよ。と言われ、マジっすかと思ってGoogleでキーワード入れてみたら本当に出なかった(笑)
意図せずしてディープウェブになっていた猫田に小判新館。
ま、いいんだけども。

〔 129文字 〕 編集


#陶磁器修理 #金継ぎ

うそぉ〜1月は投稿しなかったのかぁ。今、気が付きました。ネタはあったのに。
あけましておめでとうございます(今更)

ということで1月中に書くはずだったネタを投稿。

1月16日のYahooニュースに「国内で広まるライフハック 割れた陶器は、牛乳で煮ると元通りになる 本当に有効なのか調査してみた」という記事が出ていた。
ツイッターでは即日、引用リツイートで何の検証実験もせずに調査したとか書いて記事にしたらアカンでしょ、と書いたのだが、大切な事なのでこちらにも書いておこうと思う。

結論を言うと、磁器に牛乳という方法が無いわけではないが、元通りになるのではなく元通りに見えるだけで実用強度は出ない。あくまでも、捨てるのも何だし使えないけど飾ってインテリアとして楽しもうという西洋人の趣味で行われるものであって、日本の金継ぎのように、また食器として使うつもりでやっている事ではない。
更に実際に牛乳で煮る実験をした事がある私から言わせて頂くと、陶器では接着そのものが無理。一見付いたように感じるがすぐに取れる。しかも、牛乳を吸い込んで器が強還元焼成したように青く変色して戻らなくなるし処理後の乾燥が不十分だと匂いが取れなくなるので、絶対にオススメしない。というか、あえて言うなら、やっちゃダメ。なので手軽なDIYとして広めっちゃダメな案件。特に値段高めの和陶器はダメ。

私の記憶では、確かテレビでは「発掘!あるある大事典」で最初に紹介されたと思うが、その時は磁器のヒビを目立たないようにするといった内容で、割れた器が元通りになるとは言っていなかったと思う。その後、NHKの何かの番組でも見たが、それも実用については触れていなかったはず。
ちなみに検索したら私のブログでも2007,06,13でカゼインの接着についてちょっとだけ触れていた(どうにか接着に利用出来ないかなぁという話で、接着に使えるとは言ってない)。その前後にもカゼインプラスチックと接着への応用について書いた事があったように記憶しているが、検索に引っかからなかったのでブログ以外で書いたのかもしれない。

そもそも、調査してみたの割に検証も無く伝聞と推論だけでこういう記事を書くのは頂けないし、もう少し書くと「天然系接着剤は合成系に比べて耐水性が低い傾向がある」という一文も天然系接着剤の漆に失礼な話である。
米の研ぎ汁で煮ると器が焼き締まるという嘘話も未だに雑誌の特集で書かれていたり、陶磁器の間違った話はなかなか訂正されることなく広まってしまうのは陶磁器修理屋として本当に困った状況である。

<スクリーンショット↓>

ヤフーニュース

〔 1136文字 〕 編集

2018年12月 この範囲を時系列順で読む この範囲をファイルに出力する

美人画っぽいのを書いてみる その6

No. 11 :

#美人画風 #ペンタブレット

XP-PENを使っての画。HUIONの時と変わらないやないか、と思われるかもしれませんが、その通りでございます。限りなくHUIONのペンタッチに近づくようにセッティングしましたので(でもまだ書き出しの設定が上手くいかない)。本当はHUIONより使いやすくセッティングしないと替えた意味がないんですけど、なかなかそうはいきませぬ。

美人画

〔 201文字 〕 編集

ペンタブレットはペンが命、という話

No. 10 :

#徒然なる日記 #ペンタブレット

15年以上使っていたWACOMのタブレットが壊れ、お金も無いのでHUIONという中国製のタブレットに買い替えたのが2年前。中国製とはいえ流石に最新のペンタブレットは書き心地の良さが段違いだなと思っていたのだが、先日、HUIONのペンタブレットが壊れて認識しなくなってしまった。アマゾンを見たら、ver2になっていて、筆圧検知がver1の4倍の8192!しかもペンの充電不要!更にお値段据え置き。マジっすか、2年の進化って凄いっすね、と驚きながら買おうと思ったのだが、試しに他のペンタブレットも見てみたらXP-PENというのも、ほぼ同額同機能で高評価。ネットで調べてみたら、HUIONもXP-PENも中国製で、液晶ペンタブレットでは日本製のWACOMには一歩劣るけれど、ペンタブレットならばWACOMと良い勝負(コスパ的にはWACOM以上)らしく、そこでうっかり魔が差してしまい、タイムセールでお安くなっていたXP-PENのペンタブレットを購入してしまった。

「してしまった」という文面から察しの良い方はお気づきと思うが、これがまぁ、失敗ではないのだけれど、いやぁ難儀、難儀。

ちなみに、壊れてしまったHUIONのペンタブレットはH610PRO(作業スペースが6インチ×10インチなので610なんでしょうね多分)。美人画っぽいのを書いてみる その5までは全部HUIONのH610PROで書いている。
新しく買ったXP-PENはDeco03という製品。Decoは01〜03まであって、作業スペースはどれも大体6インチ×10インチ。01は入門用でファンクションキーの付いたタブレットとボタン付きペン、02は拡大縮小用ホイール付きタブレットと、消しゴム機能付きペンの組み合わせ。Deco3は拡大縮小用ホイール付きダブレットにBluetoothが組み込まれた無線仕様。ペンは消しゴム機能無し。という違い。
HUIONが壊れた直接の原因がコードを刺すUSBの穴の接触不良だったので、今度は無線にしようという目的でDeco3を選んだ次第。

で、先に中国製のペンタブレットが良いか悪いかの結論を言うと、HUIONとXP-PENどちらも良い。絵を書く道具という点では、どちらも遜色なく十分に優秀だと思う。値段を考えればWACOM以上のコスパというのも納得出来る。Deco3の無線も、延滞するとか言われる事があるが、しっかりタブレットを充電していれば延滞はしない。タブレットを充電するという事が説明書に全く書いていないので、最初はポインターがカクカクして使い物ならないなと思ったけれど、いや待てよ、充電の要らないペンなのだからタブレットに充電しないとダメなんじゃないかと気付き、一晩USBケーブル刺しておいたら、案の定、サクサク動くようになった。でも2時間くらい使うとカクカクしてくるのでバッテリーは2時間分くらいなんじゃないかなと思う。

では何が難儀なのかというとペンの設計思想の違い。タブレットの表面の質感などは大きく違わないのだが、ペンが全く違う。どちらも中国製だし大差無いだろうと思ったのだが、そんな事は無かった。
HUIONのペンはペン先のバネが効いていて初めの沈み込みが大きく、それゆえに、弱い筆圧から極めて敏感に反応をする。シュナイダー万年筆でも書いた通り、私はフォルカンやエラボーのような柔らかいペン先が好きなので、HUIONの沈み込むペン先は柔らかいペン先に似て非常に扱いやすい。筆圧調整に関しては、ほとんど調整しなくても書き始める事が出来たのだが、XP-PENは初めの沈み込みが硬い(それでもWACOMに比べると沈むらしいが)。そのため私のような弱い筆圧だと、デフォルトの設定ではほぼほぼ線に強弱が付かない。場合によっては線の引き始めを認識してくれない事もあるほど設定が硬め。
デフォルトの書き味を例えて言うなら、HUIONは柔らかめの万年筆、XP-PENは油性ボールペンに似ている。
という事で、XP-PENを弱い筆圧でも強弱の表現が出来るよう、タブレットのドライバとペイントアプリの両方でチマチマと調整すること3日。やっと丁度いい具合に調整出来た。それでもまだ微妙に筆圧と濃淡が感覚的に上手く合致しない感じがあるのだが、XP-PENのドライバの筆圧調整は書き始めが必ず0スタートなので、これは仕様的に仕方がないと思う。

そんなわけで、HUIONとXP-PEN、実はペンの設計思想が全く異なるので、もし、どっちにしようかなぁと思っている方は、自分の筆圧が弱いか強いかで選ぶのが吉。筆や万年筆などで書く事が好きな人はHUION。ボールペンやカブラペンのようなスチールペンで書くのが好きな人はXP-PEN。という感じではないかと思う。
なお、XP-PENがどれくらいの耐久性なのか分からないが、もし壊れたら私は多分、2択だったら次はHUIONを選ぶんじゃないかな、と思う。

〔 2077文字 〕 編集

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