猫田に小判 -新館 -

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2023年の投稿36件]

2023年11月 この範囲を時系列順で読む この範囲をファイルに出力する

縄文人のモテたい欲を想像する、という話

No. 88 :
#徒然なる日記 #どうでもいい思い付き #縄文時代

先日、茨城県埋蔵文化センターいせきぴあ茨城で、漆器や漆を塗った土器の特別展示をしているというネットニュースを見て、いせきぴあ茨城って何処にあるのかと調べたら車で1時間半くらいで行ける場所と分かり、ちょっと見に行ってきた。
茨城県埋蔵文化センターは廃校をそのまま利用して縄文時代~平安時代までの埋蔵品などを保管、調査していて、その廃校の一角を展示室として無料で埋蔵品を公開しているところ。入館無料なのは有難い。
昇降口を入ると係の人が居て、何処から来たとか何で知ったとかちょっとしたアンケートに答えるとカラーパンフレットを貰って入室できる。いろいろ説明してもらおうかと思ったら、何故か「詳しいかたのようなので、どうぞご自由に見てください」と言われて係の人が出て行ってしまった。ん~、別に詳しい人の空気は全く出していなかったと思うのだが。まぁ、それはさておき、写真撮影OKなので展示物を観たり写真を撮ったりしてきた。展示室は教室2つ分なので博物館というほどの規模ではなく、コンパクトにまとまっていて全部を集中して観察しても疲れない程度なのは個人的に嬉しい。

で、その中で非常に感動したのが、桜の樹木から作った鉢(半分だけ)。縄文後期のもので弁柄を入れた赤い漆が塗られているのだが、内外の両方に非常に緻密な装飾が彫られている。(内側はカメラで上手く取れなかったので外側だけ)

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陶胎は形を作るのも装飾するのも粘土をちゃんと精製して練っていればそこまで大変ではないと思うが、木胎となると木を削って整形し更に彫り物を入れてから漆を塗らないといけない。しかも加工道具は恐らく石器や動物の骨を加工したもので金属道具のような専門形状をしていないわけだから、これを作るのにどれだけ大変だったかは想像に難くない。

一体、どんなモチベーションでこんなの作るんだよと思いながら暫し出土品の前で立ちすくんでいたら、急に、開けた風景の中で世間話をしながら楽しそうな顔をして木を削っている縄文人女性のイメージが浮かんだ。あぁ、そうか。これは仕事としてノルマを果たされてやっていたわけではなく、作る事が楽しくてやっていたのかもしれないと気付く。アドレナリンが出まくった状態で木を削り続けた結果が、これなんだろうな、と。

そこに気付いたら、頭の中で一気にいろいろなことが繋がってきて、縄文人がいろいろ作るモチベーションの根底には「モテたい」という欲があって、そこからいろいろと作ったんじゃないかという発想に至った。以前、土偶に妊婦が多いのは妊娠可能な女性がいる、または、妊娠中の女性がいることを集落に周知させる目的が大きかったのではないかとブログで書いたが、装飾を施した器というのも、モテたいの延長線上から生まれてきたものだったのかもしれない。

用途がよく分からない遺物はすぐに祭器や呪具だと決めつけて自然に対して畏敬の念や祈りを捧げるために作ったとか結びつけるのだが、そもそも時間の観念が存在したかどうかも分からないのに、より高次な思想のための物作りと考えるよりは、殆どの物はモテるために作ったと考えると、遺物を祭器や呪具にするよりも納得がいくような気がする。
男女関係なく、モテるためにいろいろなものを考えて作った。そして禍々しい神への祭りなんてことをしていたわけじゃなく、合コンやマッチングイベントを定期的にやっていて、そういう時のために生活用品以外にも普段からいろいろ物を作っていたんじゃないかと思ったりする。

考古学者はすぐに集団統率や文明による社会秩序というものを考えがちな気がするが、縄文時代ってもう少し俗っぽいというかプリミティブでシンプルな気持ちに全力で、多様な形状や装飾も、モテたい、モテるために誰かに伝えたいという気持ちから生まれていったような気がするのだが、それは私だけだろうか。

〔 1640文字 〕 編集

#徒然なる日記 #Youtube

うちは免税事業者継続でインボイスやりませんとホームページで宣言したからなのかは分からないが、宣言を出してからパタッと業者からの金継ぎ修理依頼が無くなり、まぁ、うちは契約とか全くせずに困った時だけ声をかけてねのスタンスでやってきているため、それで何処ぞに文句を言ったりも出来ないわけなので、要するに暇だったりする。(そのくせ窯が壊れて直したりして、お金にならない労働はあったりするわけだが。)

コロナで暇になった時はnoteに「案外 書かれない金継ぎの話」を書いたりして時間潰したのだが、基本的な事はあらかた書いてしまったし。ということで仕方がないのでYoutubeの動画を見たりしている。
そんなわけで、今日は無茶苦茶面白いチャンネルを3つ、お勧めしてみたいと思う。

1つめは『サイエンスライター北村雄一の地球放送
1本平均15~16分の動画で、現時点50本が公開されている。
生物の進化という視点から地球の歴史を解説するチャンネル。地層や化石などを元に生物誕生から少しずつ話が進み、最近では、宇宙人が居るとしたらどういう進化を遂げるのかといった考察などもしている。
流石、ライターさんのチャンネルだけあって、とにかく構成も説明も分かりやすい。古代生物の学名の解説とか声出して笑ってしまったりする。
昔の生物って面白い形をしているよなぁ~ってくらいの興味があれば、グイグイ地球の歴史に引き込まれていくこと請け合い。出来れば最初から順番に見るのがおすすめ。


2つめは『ことラボ ことばの不思議を解き明かす
1本平均10分程度(ほとんどは10分以下)の動画で、現時点50本が公開されている。
たぶん言語学というジャンルになると思うが、多角的に言語についての情報を解説して頂けるチャンネル。
「はぁ~いこんにちは、ことラボ りょうさんです」と、呑気な感じのあいさつで始まるけれど、そこから一気に動画主の博識が爆発して心を鷲掴み、話が展開していく。
割と動きの少ない画面なのだが、話の面白さと完璧な構成力で最後まで息つく暇もなく一気に見てしまう感じ。
地球放送のような順番は無いので、好きな動画からチョイスしても楽しめる。


3つめは『ナゾトキラボ【IQ & 謎解きチャンネル】
1本平均15分程度(わりとバラつきあり)の動画で、現時点252本が公開されている。
最初は、頭の体操をメインとした動画だったが、「親鳥さん」と「ひよこい」シリーズからは数学系謎解きエンターテイメントという方向になっている。
頭の体操も面白いのだが、私は数学解説が無茶苦茶好き。正直、中学知識で止まっている私にとって動画に出てくる数式は2割も理解出来ていなかったりする感じだが、数式を理解出来なくても数学の世界観を知ることが出来るのが素晴らし過ぎ。特に虚数と複素数をグラフ化する話は、実数解は巨大な数学というイマジナリーの一断片でしかなかったのかぁという驚きで涙腺緩むくらいに感動した。その他、暗号解読の謎解きなどは完全に映画1本見たような満足感があったりと、全ての動画が面白い。

以上、チャンネルの紹介でした。
「地球放送」と「ことラボ」は動画本数も50本で、更新も月1ペースのようなので今からでも一気見できる。知的エンターテイメントが好きな人は是非ともチャンネル登録して観て頂きたい。

〔 1440文字 〕 編集

2023年10月 この範囲を時系列順で読む この範囲をファイルに出力する

土偶の造形の解説についての話

No. 86 :
#徒然なる日記 #どうでもいい思い付き #陶芸 #縄文時代

Youtubeで縄文時代の土偶についての動画を見ていて、土偶の後頭部に穴が開いていて何のために開けたのか分からないという解説がされていたのだが、普通に水蒸気爆発防止の穴でしょ?と思った。陶芸をやっていれば当然開けるだろうと思う位置にちゃんと穴を開けている縄文人はやはり凄いなと思うと同時に、陶芸やったことがない人からすると穴の意味が分からないのかと少しびっくりした。

成形可能な状態にした粘土には15~20重量%の水分(物理水)が含まれている。この水分は焼成時の加熱に伴って水蒸気になり粘土から抜けていく。この時、徐々に温度が上がって水が液体から気体に変わっていくと粘土は形が壊れることなく熱変性していくことになるわけだが、加熱速度が速すぎると水の膨張による応力に粘土が耐えられなくなり水蒸気爆発によって形が破壊、粉砕してしまう。隣に作品があれば爆発の煽りで破損してしまう。福島原発で原子炉建屋が吹っ飛んだ映像を覚えている方は多いと思うが、水蒸気爆発といのそれ位の威力がある。実際、私も窯焚きの最中に作品の水蒸気爆発で上開き式の窯の蓋が持ち上がったのを見たことがあって、非常に衝撃だったのを覚えている。
粘土というのは一定の厚みを超えると内部の水が非常に抜けにくくなるため、水抜きのために竹串で何か所か穴を開けることで水蒸気爆発を防止する技術が必要になってくるわけだ。よくハウツー本に粘土内に密閉した空間を作ると空気膨張で爆発するという解説を見ることがあるが、粘土というのは意外に粒子の隙間が多いので、空気の膨張で爆発するということは無い。密閉空間の空気膨張で起こるのは爆発ではなくヒビが出る程度。爆発は空間ではなく粘土内部の水蒸気の急な体積膨張によるものだ。

で話を戻して、土偶の頭の穴だが、頭は粘土を固めて丸くしている場合、厚みがあり水分が抜けにくくなっている。目や口の穴は表層のみなので水蒸気抜きとして作用するほどの深さが無い。そのため頭部が爆発しないよう正面から目立たない後頭部に水蒸気抜きの穴を中心付近まであける、という極めて物理的な理由で作られていて、そこにスピリチュアル的な理由は恐らく無いと思う。

それから、土偶が板状土偶から自立式土偶へ変化した理由なども、割にまじないとか儀式とかスピリチュアルな方向で解説付けがされることが多いが、私は単に縄文人の物体に対する空間認識の発達によるものだと思っている。

私が子供の頃に、弟と粘土で遊んでいる時の記憶で、私が人間を作るために球形の頭に太めの棒状の体を作ったのに対して、弟は球状の頭に平板な方形を付けて人間としていた。当然、自立せず、頭が重いので板は曲がってしまうため床に寝かせておくことになるわけだが、なるほど弟にとって人間の体というのは頭が球体であることは認識しても、体に厚みがあるということまでは認識出来ていないのかと子供ながらに結構な衝撃を受けたのを覚えている。
大学の心理学の授業で、人間というのは成長に伴い物体や空間を平面認知から立体認知へと変化させていくという話を聞いて、弟との粘土作りのあれが、まさにこの認知の変化だったのかと非常に納得した。

というわけで、縄文時代は約1万年。当然、人間の認識が徐々に発達していく過程があるはずで、それが板状土偶から自立式土偶への変化に表れているのだろうと推測出来る。まじないをするために形を変化させたというよりは、何千年もかけて人の空間認知が発達したと考えるほうが分かりやすいのではないかと思う。

これは土偶と直接関係ないのだが、先が丸くなった棒が出てくると、すぐに男根崇拝だという話になるんだけど、私はその中には建築や工芸用の作業道具があるのではないかと思っている。建築跡や工芸品の数に対し、それを作るための道具の発見が少ないように思うのは、本来、道具であるはずのものをスピリチュアル視点で見過ぎているのが原因ではないかという気がする。

〔 1678文字 〕 編集

2023年9月 この範囲を時系列順で読む この範囲をファイルに出力する

#徒然なる日記 #どうでもいい思い付き #陶芸 #エルエルキルン

窯焚きをしていたら1200℃を超えた辺りで電源が落ちてしまい、何度も再点火を試みてどうにか1230℃までは上がるものの、それを超えると過剰加熱の表示が出て完全にダウンし1250℃まで届かず。翌日、再挑戦できるかとスイッチを入れたところFAILと表示されてスタート出来ず。
仕方がないのでエルエルキルンに問合せたところ、熱電対の寿命だと思うので1本引き抜いて(私の窯は3本使っている)確認してみて下さいとの事。コントロールボックスを開けて熱電対を引き抜いてみたところ、先端が熱で伸び切った上に炭化し完全に金属性を失っていた。日本の窯は保護管で固定されていて中の計測金属の寿命を見た事が無かったので、なるほど熱電対の最後はこうなるのかと結構驚いた。

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(注釈 左が新品の熱電対、右が寿命を迎えた熱電対)

明らかに寿命なので新しい熱電対を3本注文することに。アメリカの窯はDIYが徹底しているので、個人でパーツ交換出来る仕様になっているのは非常に有難い。

安めなK型(現在使っているものと同等)と値段の高いS型があってS型の方が寿命が長いとの事で、どちらにするか迷ったが、窯を買ってから6年は使えたので交換後も6年は使えるだろうという判断と、6年後に炉体の寿命が来ていたら熱電対ごと買い替えになる可能性も考えられるため熱電対だけ高寿命でも仕方がないかもという判断からK型にすることに。

注文から2日後に新しい熱電対が届いたので、早速交換する。
エルエルキルンのオフィシャルYoutubeに交換の動画があるので、それを何度か見て覚え、必要な道具を用意する。用意すると言ってもプラスドライバと懐中電灯くらいだけど。
交換手順そのものは非常に簡単で、先日、熱電対を引き抜いた時に構造は理解していたので、30分もあれば3本交換終わるだろうと思ったのだが、結局2時間くらいかかる。というのも、交換は簡単なのだが錆がとにかく酷い。そのせいでネジが抜けないし、やっと抜いて熱電対を交換しても今度はネジ山が馬鹿になっていたりしてネジが閉まらない。耐熱ウールを噛ませたりして何とか対処し、通電してみたところFAILの表示も出なくなり点火も出来るようなので、一応は一安心。

ところで、粘土には物理水と化学水(結晶水)という2つの水分が含まれていて、物理水は成形のための加水分で100℃になると蒸発する(窯の温度計だとは250℃くらいまで出ている)。更に分子レベルで結合している化学水というのがあり、これは1000℃くらいまで出続けると言われている。どちらも水蒸気になって出ていくのだがヤカンで水を沸騰させて出てくる水蒸気とは比べもにならないほど高温というのが曲者で、これが窯の金属を腐食させる。ステンレスというのは錆びない金属と思われているが、高温水蒸気はステンレスでさえボロボロに腐食させる。エルエルキルンは金属部分に腐食しにくいステンレスを使っているが、それでも6年使うと加熱水蒸気と触れる箇所はボロボロになってしまう。
熱電対を交換しながら思ったのだが、電気にしろガスにしろ、近代窯というのは耐火煉瓦を固定するためや各種部品を接続するために割と金属を多用していて、耐火煉瓦よりも金属の劣化が窯の寿命に関わってくる。前に使っていた日本の窯はアングルに鉄を使っていたのでステンレス以上にボロボロで最後はステンレスの針金でグルグル巻きにして使っていたなと思いだした。扱いやすいぶん煉瓦だけを積んで作った古代窯よりも、その点は明らかにデメリットだな、と。

〔 1530文字 〕 編集

#徒然なる日記 #陶芸

陶芸の講習会をやっていると、講習会で作った器は壊れないのに高い値段の器は壊れるんですよ、とか、自分のカップを洗っている時に落としたことないのに夫のカップは何故か落とすんですよ、という話を聞くことがある。

大抵は、おっちょこちょいエピソードとか笑い話のまま原因を聞かれることもなく話が流れてしまうので、きちんとその理由を話す機会は無いのだが、注意しているのに落としてしまう事で悩んでいる人のために、陶芸屋視点で理由を書いておこうと思う。

結論を言うと、器が手に馴染んでいないから。言い換えると、反復学習の不足が原因だ。

上記でいえば、来客用の器は、普段使いの器よりも手にする機会が少ない。夫のカップはお茶を出す時と洗う時に触るだけで、(例えば口元まで近づけるといった)それ以外の動かし方をしていない。つまり、器の形や厚み、重さのバランスなどについて手が覚える(正確には脳が無意識に記憶するわけだが)時間が圧倒的に短いのだ。
風呂場で髪を洗う時に目をつぶったとして、自宅であればシャンプーや水道の位置は大体予想出来るし、シャンプーの蓋を開けたりお湯を出すことも出来るが、旅行先の温泉の浴場で目をつぶったら、自宅の風呂と同じようにはいかない。それと同じで、普段使いの器や自分が愛用しているカップというのは、日々の反復経験によって器から様々な情報を収得し記憶している。逆に、来客用の器や夫のカップというのは普段遣いの器や自分用のカップに比べ、受け取っている情報量が圧倒的に少ない。

つまり、来客用の器や夫のカップというのは、根本的に落とすリスクが大きい器なのだ。
これは新しく買ってきた器を使う時にも当然発生するリスクだったりする。
食器に限らず、道具などを買う時に、手で持ってみてしっくりくると感じた経験を持つ人は少なくないと思うが、あれは、これまでの反復経験と合致する情報が多いということを意味する。
器というのは、よっぽど奇抜な作家の新作でもないかぎり大体は似たような形をしているので、これまでの経験と同じ使い方をすれば同様に扱えるだろうと勘違いしがちだが、実は、似た形であっても微妙に厚みや重さやバランスは異なるので、使いこなすには反復練習が絶対条件だったりする。

新しく買った器をすぐチップさせてしまう人、高い器を割りやすい人、夫のカップを落としやすい人は、手が器の情報を取得するまで、言い換えると器が手に馴染むまでには結構な時間が必要だということを忘れないようにしておくといいと思う。

〔 1093文字 〕 編集

今更、消費税のことを知る。という話

No. 83 :
#徒然なる日記 #インボイス制度 #消費税

10月からインボイス制度が開始されるということで、そろそろインボイスに乗っかるか乗っからないかを決めて、ほん陶のホームページで意思表明しておかないといけないだろうなぁと思い、ネットでインボイス関連の内容を検索して読んだり動画を見たりしてきたのだが、いやぁ~消費税の仕組み、今更ながらに知りました。知らずに店を初めて仕事続けていたのかよって話ですけど、えぇ、その通りでして、消費税の基本を知らずにやっておりました。

消費税って、年収1000万円以上の事業者に納税の義務があるだけで、それ以外は関係ないので、当然、支払の義務ってのも無いのね。
じゃぁ商品やサービスの領収書に書いてある消費税って何なのよって事だけど、要するに、1000万以上の事業者が税金払って利益減ると困るから商品を値上げして何とか税金の払い分を賄うことにしましょうって時の値上げの口実として消費税って書いているだけなんだそうな。

そうなのかぁ~。年収1000万以上の事業者を潤わせるために、一般庶民はお金を出していただけなのかぁ。
完全に勘違いしてたな、自分。っていうか大体の人が勘違いしてないか?
もう少し言うと、勘違いさせるために書いているというか書かせるようにしてるよな、消費税の表示。あこぎな事するわぁ。

ちなみにインボイスの登録だけど、自分はまだしばらく登録しないことにした。
配送業者から修理の依頼はたまに来るけど、ほとんど対個人だし、インボイスだからって値上げするのも何か心苦しいしねぇ。
インボイス義務になったら、仕方がないから登録して修理代値上げするかもしれないけど、ギリギリまでそういうことはしたくないわね。

〔 741文字 〕 編集

#徒然なる日記 #陶芸

江戸時代の文献に、掻いた生漆は「くるみ油」と「濃く煎じた茶汁」の混合液の上に垂らすと漆が焼けないという記述があって(ここでの「漆が焼けない」という解釈が、漆が酸化して赤くならないという事なのか、それとも漆被れを起こさないという事なのかは考える必要はあるけれども)、くるみ油と茶汁の混合液には、どういう効果が有るのだろうと調べていて、ふと、そういえば大学や東京の陶芸教室で働いていた頃は、下絵具を茶汁で溶くのは割と通説的に、タンニン酸が弁柄を細かくするから絵具の伸びが良くなるとか言われていたけど、個人的には水で溶くのと違いが分からないまま、理由については深く考えもせずに放置していたけど、実際のところはどうなのかと思ってネットで検索してみたら、下絵具を茶汁で溶くという話そのものが全く出て来ない。
まあ、30年位前の常識だから徐々に薄まってきているという事は考えられるが、よもや、今は、茶汁で溶くという話すら検索出来ないほど消えてしまったらしい。と結構驚いた。

それと、ネットでの検索結果というのは、食に偏りが大きいという事もちょっとした発見ではあった。くるみ油も茶汁も、健康に云々という記事が山のように出てくるが、くるみ油の塗料としての内容や、茶汁で何かを溶くという話に関しては、本当にヒット数が少ない(と思う。私の調べ方が悪いのかもしれないが)。

〔 612文字 〕 編集

#徒然なる日記

長らく風呂で体を洗う時には固形石鹸を使っている。洗顔石鹸、ヘアシャンプー、リンス、ボディーソープといろいろ使うのが面倒になったので、固形石鹸1個で全部まかなう事にしている。髪はリンスとかコンディショナーを使わないとパサパサするだろうと言われるが、徐々に髪が固形石鹸に慣れて来るのか、よく洗い流せばバサバサしなくなるので、本当に風呂場には石鹸1個しかない。

最初は牛乳石鹸の青箱を使っていたが、結構、顔の肌がつっぱるので赤箱にした。しかし、しっとりはするがバラの香りが強くてどうも好きになれず。
ミヨシの無添加せっけん、シャボン玉無添加浴用せっけん、カウブランド(牛乳石鹸)無添加せっけんと変遷して、しばらくカウブランド無添加せっけんで落ち着いていたのだが、今年はとにかく暑くて汗をかくので、ちょっと香料の入っているやつのほうが良いかなと思い、カウブランド自然派石けんオリーブを買ってみた。
香りは良い。流すと香りが強く残らない感じも良いのだが、結構、顔の肌がつっぱる。自然派の保湿剤が入っているらしいので保湿はしているかもしれないが、なんかちょっと顔がピリピリする。なるほど、あくまで自然派であって無添加とは違うんだなぁ。
で、結局、牛乳石鹸の無添加石鹸が、自分の肌には一番合っているという結論に至る。無添加だから香料入れたら無添加じゃなくなるのだろうが、無添加石鹸で自然派せっけんの香料だけ入れたバージョンってのがあれば一番だと思うが。なかなか自分の好みの石鹸に出会うというのも難しいものだ。

〔 685文字 〕 編集

#徒然なる日記 #金継ぎ

マツコの知らない世界で金継ぎが取り上げられたというのでTVerで見つけて視聴してみた。
某ナカムラ出演と書かれていたので、これは間違いなく期待できないな、と思ったら案の定、金継ぎ無茶苦茶になっていた。

某ナカムラさんといえば、私の中では結構誤った内容(早い話が嘘)な雑過ぎるエポキシ金継ぎ本を出していて、海外にスピリチュアル金継ぎを広めた一旦を担いでいて、ラジオ番組で稲垣吾郎さんに食器には使わないでとメーカーが注意喚起しているエポキシ&新うるしを使った金継ぎが安全だと言い切った人、ということで、別に好きでも嫌いでもないが、少なくとも金継ぎを世間に誤解させまくっているという印象がある。話し方で他人を安心させる空気感を出す方なので、余計にたちが悪かったりする。

別に私は恨みつらみがあるとか、好き嫌いとか、そういうのは全くないわけだが、この人がやっている事は金継ぎのエッセンスだけを利用したアートであって、要するに金色が使ってあるアートなのだが、それを見せて、これが精神の高みに至る日本発祥の金継ぎであ~ると言いきっているのが困ったもんだな、という話なのだ。

どうも最近は漆を使い始めたみたいなのだが、テレビで紹介したものを見る限り、どう見ても技術は素人程度というか素人以下というか、線の引き方といい、研磨の中途半端さといい、金色の乗せ方といい、付け焼刃な感じしかしない。水研ぎのやり方を見ても、器に傷が付くことなど微塵も気にしていなさそうだし。つまり器を修理しているという気持ちがまるで無く、金色のアート作品を作っているだけなのだ。
で、金継ぎは素晴らしいでしょうって語るので、まぁ、「ん~…」としか言いようがない。

別に金継ぎは誰のものでもないので、どう解釈しようと、どういう使い方をしようと構わないっちゃ構わないわけだが、影響力がある立場なので自分に都合の良い箇所だけをピックアップした俺様金継ぎを発信する前に、もう少し、歴史とか、技術を守ってきた職人の方々への敬意みたいなものにも気を使ってほしいなぁと思ったりする次第。でも本に、金継ぎの極意は他人の金継ぎを気にしない事みたいな話を書いていたりするし、歴史とか職人の事も気にしないんだろうなぁ。

〔 970文字 〕 編集

2023年8月 この範囲を時系列順で読む この範囲をファイルに出力する

#徒然なる日記 #どうでもいい思い付き #陶芸 #縄文時代

Youtubeで縄文土器を検索すると、結構な数の野焼きワークショップの動画を見る事が出来る。
野焼きというのは焚火で芋を焼くのと同じだと思っている人が多い。なので、ワークショップの野焼きもほぼほぼキャンプの焚火みたいな感じになっている。

ところで牛糞ケーキというのをご存じだろうか?牛糞とケーキという極めて相性の悪い名前の合体だが、別に牛糞の入ったケーキの事ではない。
インドを中心とした南アジア一帯で、基本的には低所得層(ガスや電気が通っていない農村地域など)が使用する燃料が牛糞ケーキ。アフリカや南アメリカでも動物糞は燃料や外壁に使われることがある。なお「基本的には」と書いたのは都市部でもお祭りの際の熱源として用いられることがあるからだが、ほとんどは低所得層の燃料になっている。名前の通り、牛糞を円盤状(ホールケーキほどちゃんとした円筒形ではないが、おおよそそんな感じ)に固めて乾燥させたもので、かなりの高火力を生み、燃焼時間も長いので陶器を焼く時にも欠かせない燃料になっている。Youtubeでもインドの野焼きスタイルの陶器焼成動画では必ずと言っていいほど牛糞ケーキを用いる場面が出てくる。ちなみに燃料にする牛糞ケーキは発酵が進んでいるので、それ自体の臭いは殆ど無いのだそう。
牛糞ケーキについては環境問題においてポジティブな側面があり見直されている反面、牛の生物濃縮によりヒ素を含む煙を発生する問題などデメリットも指摘されるが、今回はそれについては深く突っ込まない。

で、何故、牛糞ケーキの話をしたのかというと、察しの良い方はもうお分かりの通り、縄文時代には哺乳類の糞の利用は絶対に行われていたと私は思っている。
縄文時代に小~中型犬を飼っていた事は確かだそうなので、少なくとも人糞と犬糞を採取することは計画的に出来たはずである。縄文時代にトイレに相当する設備は見つかっていないらしいが、糞を一か所に溜めた(あるいは溜まった)と思われる場所は確認されているそうだ。
大規模農業は行われていないので堆肥としてよりも、むしろ牛糞ケーキのような燃料として糞は利用されたのではないだろうか。弥生時代になると人種が違うので、糞の意味合いや扱いは変わったのではないかと思ったりするが。
つまり、縄文土器を焼く時には、ただ器の上に木材を置いたのではなく、合わせて乾燥糞を利用する事で火力を確保していたと私は想像している。
野焼きをしてみると分かるが、地面というのは非常にカロリーを奪う。登り窯のようなレンガでも使えれば別だが、そうでないと発生する熱の結構なカロリーは地面に取られてしまう。そのためには木材よりも高カロリーを生む燃料が必要になってくるわけだ。

縄文土器の野焼き再現は、あまりにも綺麗好きな今の日本人的思考に寄り過ぎだ。縄文人はもっと目的達成に貪欲でクレバーだったと個人的には考えている。

〔 1256文字 〕 編集

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