猫田に小判 -新館 -

Last Modified: 2024/04/14(Sun) RSS Feed

タグ「万年筆」を含む投稿5件]

煮詰まったインクは水で希釈できるという話

No. 59 :
#徒然なる日記 #どうでもいい思い付き #万年筆

万年筆を暫く使っていないとインクの水分が蒸発して濃度が上がってしまい、書けなかったりギリギリ書けるが濃くて書き難い状態になってしまう。これをインクが煮詰まるというのだが、前々から煮詰まったインクは水で希釈しても良いのかという疑問があった。検索しても、筆に付けて使う時に水で薄める話はあっても、煮詰まったインクを希釈する目的でコンバーターに水を入れても良いのかは分からず。やっぱり煮詰まったら万年筆を洗うしかないのかと思いながら疑問を棚上げにしていたのだが、先日、煮詰まった状態の万年筆が出てきて、また洗わないといけないかぁと水を入れたコップに万年筆のニブを付けてコンバーターに水を吸い込ませた。いつもは、吸い上げたら直ぐに中の水を押し出すのだが、この時は何となく吸い上げた後、紙で試し書きをしてみたら、ん!問題なく書ける。しかも書き味全く変わらず。インクが滲んだりすることもない。

で、長年の疑問が一掃出来た。煮詰まったインクは水で希釈出来る。
今回は洗う目的で水道水を使ったが、もしかしたら微量の塩素などが影響あるかもしれないので、ドラッグストアで精製水を買ってきて使う方が良いと思う。ま、とにかく煮詰まったインクは精製水で希釈してそのまま使えるという事がはっきりした。

〔 585文字 〕 編集

万年筆の欧州共通規格は2種類あるという話

No. 52 :
#徒然なる日記 #万年筆

最近、台湾・中国方面の万年筆に少しハマっている。昔は(昔というほどでもないか、5、6年前までは)特に中国の万年筆ってインク漏れしたり、ニブはFと書いてあっても太かったり細かったり全然そろっていなかったりと安かろう悪かろうな代名詞みたいだったが、現在では精密加工の技術向上が凄まじく良くなっていて安かろう良かろうになっている。
JinhaoにLAMYサファリそっくりなものがあるのだが(基本的にJinhaoのデザインはいろいろなメーカーのパクリだけども)、ペンポイントの研ぎ方は秀逸で本家LAMYよりも書きやすかったりする。しかもAliexpressで買うと送料無料で500円以下(安いところだと120円)だったりして、なんかもういろいろとクラクラしてしまう。(でも私にも美学はあるので、試し買いの1本以外はちゃんとLAMY公認のお店から買ったものを使ってますけど。)
台湾はTWSBI、SKB、Hongdianなど、オリジナリティのあるデザインで材質も書き味も非常に良い。さすがに数百円というものは無いが、数千円~1万円位で買えるから万年筆としては安い部類に入る。

ところで、台湾・中国の万年筆の説明には、カートリッジは「欧州共通規格」と書いてあったりするので、共通なんだから規格は1つなんだろうと思い込んで欧州共通規格というコンバーターを買ってみるも上手くハマらないことがある。何故ハマらないのかずっと分からずにいたのだが、Aliexpressで万年筆を買うようになってから、実は穴の大きさに、2.6mmと3.4mmの2種類あると判明。日本で購入可能なのは基本的に2.6mmのみ。Amazonで3.4mmは1店舗だけヒットする状態。そりゃ2.6mmの1種類だと思うわな。

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横から見ると殆ど一緒

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左が3.4mm穴、右が2.6mm穴

ちなみに、Amazonで3.4mmを買うと2000円近くするのだが、Aliexpressだと送料込みで200~500円で買える。

中国の万年筆は同じメーカーだから穴の大きさも全部統一しているのかと思いきや、万年筆によって2.6mmだったり3.4mmだったり違っていて、欧州共通規格と書いてあっても買ってみるまでどっちの穴か分からなかったりする。日本でも100均や雑誌の付録で中国製の万年筆を入手できるが、実は2.6mmだったり3.4mmだったりしていて案外盲点。欧州共通規格なのにコンバーターが合わないなぁと思った方は、穴の大きさが違うというのは覚えておいた方が良いのではないかと思う。

〔 1102文字 〕 編集

#徒然なる日記 #万年筆

案外、レビューが無いので、気になっている方に。

知ったのは趣味の文具箱という筆記用具関連(ほとんど万年筆関連)の専門誌。写真を見て、これはカッコイイなぁと一目ぼれ。
欲しい。絶対に欲しいがコロナで講習会は無くなるし、修理の注文もあまり来ないし、支援金申請しても飲食店じゃないからか申請通らずで超貧乏。緊急事態宣言期間なんて月の売り上げ8000円くらい。魔王の前でヒットポイントを削られていく勇者一行のようにどんどんマネーポイントが無くなっていく中、今月になって一寸だけ器が売れたので、明日のための気力への投資だと思い切って買う事にしたのが、台湾の万年筆SKBのORIGIN。5500円(税込み)。


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もう、箱から、箱が既にカッコイイ。何故、電子回路なのか分からないけど、確かに回路基板はMOMAかどこかの美術館に収納されるほどデザインとして格好良いわけだから箱に使いたくなる気持ちはよく分かる。
中国語の説明書(万年筆の下の赤茶色の紙)が添付されていて、漢字を見た感じだと
「SKB文明鋼筆は1955年創業、鋼筆(万年筆)から始まって文房具をいろいろ扱うメーカーになったよ。万年筆は付属のコンバータでインクを吸ってから書いてね。」
みたいな事が書いてある。


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そして、万年筆。レトロフューチャーというのかな。むしろレトロか。スチームパンクな空気感も感じられるような。
スモークの半透明軸に金属の輝き。金属はメッキかプリントだろうと思っていたのだが、箱の説明書きによると無垢の銅らしい。そのためか細身なのに結構な重みがあって手に取った時の存在感が半端無い。バランス支点は丁度中央あたりになっているようだ。
筆記するためにキャップを軸にポストすると、キャップの内側に突起が作ってあり、軸の金属に噛んでカチッと良い音をさせてしっかりと固定する。おぉ~芸が細かい。書いている時にキャップが緩んでくると結構腹が立つので(Fonteとかプロシオンとか)、固定されるのは安心感がある。


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そして、気になっていた筆記。(「拠る」を間違えて「処る」と書いているのはご愛敬ということで)
軸の重さがとにかく心地良い。万年筆としては割と細身なので取り回し難いかと思ったが、重さがあるので安定感がある。
ペン先はドイツ製シュミット社のスチール。EFなのでかなり線が細いが、インクの流量が良く、ペンポイントも綺麗に研がれているのでサラサラと気持ちよく書くことが出来る。いつもA罫のノートを使っているので海外Fの太さでも不便と思わないが、EFは細かいところまで潰れが無いので文字がいつもより繊細に見える。

総合的に見て非常に良く出来た万年筆で、何より格好良い、美しい。
日本向けなのかペン先がEF限定なのが残念だが、この作り込みと使い勝手で5500円は買いだと思う。

〔 1225文字 〕 編集

個性が光る廉価版万年筆3選

No. 32 :
#徒然なる日記 #万年筆

万年筆ブームの火付け役と言えばパイロットのカクノ(1000円)である事に、もはや異論を言う人はいないだろう。カクノに始まり、プラチナのプレピー、セーラーのハイエースネオなど廉価版だが書き味にも拘った万年筆が各社から出ているわけだが、今回は、まだメジャーではないかもしれないが普段使いで書き味を楽しみたい廉価版万年筆を3本ご紹介。



上から
ドイツ製「シュナイダーレイ(2000円税別)」
日本製「Hmmm!フォンテ(600円税別)」
台湾製「ツイスビーゴー(3740円税込)」



ペン先はこんな感じ。普段はB罫キャンパスノートを使用しているので太さは全てFである。3本ともスチールのペン先だが、どれもスチールにありがちなカリカリとした固い書き味とは無縁な目から鱗の書きやすさ。ちなみに私の御贔屓万年筆は、パイロットカスタム742フォルカンとセーラープロフィット21なので、そういうのが好きな人が選んだ万年筆ねと思って頂くと、少し、各万年筆の解説を理解して頂けるのではないかと思う。



筆記の状態はこんな感じ。
ということで、何が個性的なのか。私が思うお勧めポイントを書いてみようと思う。

●シュナイダーレイ
ドイツの老舗ステーショナリーメーカーが手掛ける万年筆。レイは猫田に小判(新館)ブログの1番目の記事でも紹介しているが、何といってもペンの弾力が凄い。紙にペン先を乗せた時の受け止められる感じがほぼほぼ金ペンと言っても過言ではない。書き出しの気持ちよさは3本の中でも群を抜いている。イリジウムも良く研がれていて引っ掛かることなくスルスルと線を引くことが出来るが、紙の摩擦は感じられるためヌルヌルという感じではない。外国製ながらペン先の弾力により、かな漢字の払いがシャープなのも好感度高し。

●フォンテ
日本出版協会が書店販売専用ブランドとして立ち上げたHmmm!?ステーショナリーシリーズの万年筆。
この価格でコンバーター付き、そして高級万年筆に引けを取らない滑り心地に驚く。弾力は無いが、滑りの良さと、絶妙なインク流量調整で、とにかく日本語を書くのが楽しくなる万年筆。ペン先は幾分、縦が太め、横が細めに調整されており、文字のメリハリが付けやすい。
3本を比較して分かると思うが、少し小ぶりで軸も細めなので、携帯には良いが手が大きめな人がじっくり長い文章を書くと疲れるかもしれない。なお、欧州規格のインクカートリッジに対応しているらしいが、私が使っているペリカンのカートリッジは付かなかった。
ちなみに、フォンテの上位版と思われる金属軸のスタンダードはペンの調整も悪いし、軸にキャップをはめても落ちるし、良い出来ではない。

●ツイスビー ゴー
台湾の万年筆メーカー三文堂のコスパ重視で発売した万年筆。そのためクリップが省略されたり、プラスチックの見た目の質感はそれなりなのだが、それを補って余りある書き心地の良さ。感覚的には、シュナイダーとフォンテの中間といった風。やや弾力があり、わずかに紙の質感を感じる滑り心地。フォンテの様なツルツルよりも少し紙の摩擦があるサラサラという感じ。万年筆としての質感は抑え気味だが書き味には妥協しないという心意気が感じられる。
特筆すべきはスプリング吸入により一気に大容量のインクを保持。パイロットも同機構のコンバーターを出しているが、その約倍の量を貯める事ができる。入れるのも楽だが、インクを変える時にも水に漬けて3,4回スプリングを押せば簡単に洗浄完了。ガラスペンの次に楽ではないかと思う。万年筆でいろいろなインクを試したい人におすすめ。軸も太めで握りやすく長時間の使用もストレスが無い。

それぞれに三者三様で甲乙は付けがたい。というか個々にポリシーをヒシヒシと感じられ、同じ万年筆でも、ここまで書き味を楽しめるものかと感心すらする3本。廉価版だからこそ個性を特化させた秀逸品と言えるかもしれない。
ちなみに私は、この3本にセーラーのプロフィット21を加えた計4本が持ち歩き用ペンケースに常駐である。

〔 1709文字 〕 編集


#徒然なる日記 #万年筆

今回も極めて趣味的な話。ドイツ製の万年筆 シュナイダーは探してでも買うのが吉。
惚れ込みました。シュナイダー。いや何の事だか、さっぱり分からんし。というあなた。えぇそうでしょう。日本で取扱を始めたのは去年かららしいので。私も万年筆の記事をネットサーフィンしている中で1回見ただけで、完全に忘却してましたから、よほどの万年筆好きでないと耳にすることは無いでしょう。

近所に、本屋なのにやたらと拘りの文具に力を入れている落合書店というのがありまして、文具好きな私は本よりも文具を漁りに、ちょいちょい行くわけです。そこの万年筆売り場で、見たことのない万年筆コーナーが出来ているのを発見。それがシュナイダー。Schneiderという綴りなんですけど最初は読めませんでした。ただ、かなり男子の心をくすぐる格好良いデザイン。しかも1本2000円前後というプチプライス。安いから何も考えずに買っても良かったのですが、安物買いの銭失いにはしたくない。そこでスマホを取り出してちょっと調べてみたところ、あぁシュナイダーかぁ!とやっと思い出した次第。やっと思い出すと同時に、マジか!これが噂のシュナイダーか!と驚きましたね。東京にでも行かない限り実物を見ることはないと思っていたので。

シュナイダー、実は1938年創業のドイツではかなりの老舗で数々の受賞歴もあるメジャーブランド。もう、これを聞いただけで文具好きなら手にしてみたいと思うところでしょう。

で、話の枕はこれ位にして、万年筆の話ですよ。落合書店で売っていたシュナイダーの万年筆は、初心者向けのVoyage、日常使いのBASE(日本限定販売の極細ペンEFまである)とRay。そしてハイライン(と言っても2700円なんだけど)のID。
さすがに全部買うのはどうかと思ったので、日本限定販売のBASE EFと、スチールなのに金ペンのような書き味という評判のRayを購入しました。
BASE EFはスチールペンならではの硬い書き味。ただペン先はしっかりイリジウムを使って綺麗に研ぎ出してあるのでスルスルと極細の線が書ける。流量の調整もしっかりしているのでインク切れもありません。B罫のノートにも余裕で細かい字をすらすらと書けます。小さい手帳を使っている人には、うってつけの万年筆。
そして、今回の激推しがRay。いやぁ惚れた。書き味があまりに気持ちよく、買ったその日に、ノート3ページ分、字の練習をしてしまいました。本当にスチールペンなのか?と疑わずにはいられないソフトな書き味。ちなみに、私が普段使っている万年筆は、カバンに入れているのがセーラーのプロフェッショナルギア21とパイロットのエラボー、どちらもF。仕事で一筆箋に使っているのがパイロットカスタム742FA(フォルカン)と言えば、分かる方にはお分かり頂けると思いますが、そう、柔らかいペン先が好きなのです。その私が惚れ込む書き味なのですから、どれくらい滑らかで柔らかい書き味かも察して頂けるのではないかと。しかも無調整というか、買ったその日に箱から出して書き始めに驚愕する書き味ですよ、2000円なのに。個人的にはKAKUNOを超えたなと。実はKAKUNOのペン先を分解してフォルカンと同じように側面を削って、いやぁ1000円でこの書き味を超えるものは無いだろうと思っていたんですけど、2000円でその10倍書きやすいので、圧倒的にシュナイダーの勝ち。と、ここまで説明しても実感は沸かないと思うので、そういう方にも分かりやすく言うと、ほぼほぼ書き味はボールペンのジェットストリーム。万年筆だけどボールペン使っているような滑らかさ。漢字の止めや払いでも引っかかりません。しかも万年筆なので線の強弱やインクの濃淡で字に味が出まくり。これでご理解頂けるのではないかと。
そりゃぁ、軸はプラスチックで高級感はありませんし、持ち手のラバーがどれくらい耐久性あるのかも分かりませんけど、2千円で2万円の万年筆の感動が欲しい方は、一度、手にしてみることを激推しします。

あ、ちにみにシュナイダーのReyにはボールペンもありまして、価格は万年筆と同じ。書き味はジェットストリームの20倍気持ちいいです。

URL:シュナイダーオフィシャルサイト

シュナイダーレイ,ベースEF

〔 1807文字 〕 編集

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