猫田に小判 -新館 -

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2023年1月の投稿2件]

2023年1月21日 この範囲を時系列順で読む この範囲をファイルに出力する

土偶は殆どが女性な理由についての話

No. 54 :
#徒然なる日記 #どうでもいい思い付き #縄文時代

土偶の殆どが女性をモデルにしている理由を信仰性に求める説はよく聞くけれど、私は何でもかんでも信仰とか宗教からの派生にするのは如何なものかと思っている。作った物に時代性や製作者の思想や美意識が含まれる事は間違いないが、いつも祈祷をするから作っているというのは、宇宙人が作ったというのと大差ない感じがする。

実はもっとシンプルに現実的な理由からではないかという気はしていて、急に、土偶は女性が作っているからではないかと閃いた。
妊娠した女性像が多いのは、妊娠した女性が作っていたからではないだろうか。

食料採取のため集落から遠出する(主に)男性陣に対し、子供や女性陣はおそらく集落の近辺で生活に必要な事をしている。更に妊娠中の女性は殆ど集落から出ることは無かっただろう。女性は妊婦になると家を守るための家長(家族という単位があったかどうかは分からないが、何かしらのランクアップや特別な地位に近いものはあったように思う)として、自らを模した人形を作り、家の前に置いて集落の人々に対しての表示をしたのかもしれない。
縄文時代はまだ文字の使用が確認されていないが、意思疎通を行う十分な言語数があり使用されていたはずだ。何しろ建築はもちろん、漆の精製や塗装、骨や石の装飾品、土器など、明らかに集団を統率したり技術を伝達しなければ行えない加工物が多数残っていることからも間違いない。
とすると、土偶もまた何かしらの意思を表示するための文字の代わりに制作されたと考える事が出来る。「妊娠した女性がいる」あるいは「出産経験のある女性が集落に居る」という事を明示するための記号が土偶なのではないだろうか。土偶にいろいろな顔があるのも、個の差異を表すために必要な造形なのだろう。

そう考えると、土偶は壊れたものが多いのも自然な事だと思える。出産が終了したり、家長が亡くなるなどで不在になれば土偶は不要になり、集落の外に破棄される。集落内に居ないことを表示するために最も確実な方法だ。そして単に破棄をするだけでなく、破棄のための破壊方法も何かしらの意味を持っていたのかもしれない。

〔 926文字 〕 編集

2023年1月3日 この範囲を時系列順で読む この範囲をファイルに出力する

湿度は上がっていかないという話

No. 53 :
#金継ぎ #陶磁器修理 #修理道具

陶胎漆器の漆を乾かすための漆風呂の棚は上下2段。更にその下に素焼きの平皿を置けるスペースを作り水を入れて湿度調整するようにしていたのだが、漆風呂の気温が20℃になると明らかに上段と下段で乾きに違いが出て、上の段の陶胎漆器の乾きが悪くなると分かる。金継ぎで使う時は下の段がメインで、下の段に数時間置いて指触硬化を確認したら上の段へ移動して一晩養生という方法をとっていたので、上の段の乾きがここまで悪いということに気付かずにいた。

試しに上段と下段それぞれに温湿度計を置いて状態確認したところ、下段が気温20℃で湿度65%なのに対し上段は気温20℃だが湿度35%。棚は簀子状になっているので棚で空間が遮断されているわけではないのだが、上下でこんなに差があったのかと驚いた。それにしても問題は何故これほど上下で差があるのかという事。
いろいろ考えた結果、密閉した漆風呂内の空間では空気の循環が起こらないため素焼き皿から蒸発した水分はそのまま下に溜まっているのではいかという結論に。そこで上段の棚の下に温湿度計を張り付けて計測してみたところ湿度50%。やはり水源の周りに水蒸気が溜まり、上へ行くほど水蒸気は薄くなっていた。上段は下段から25㎝の位置、つまり水蒸気は20㎝程度しか上がっていかないということになる。

そこで上段の上に更に棚を作り、素焼き皿を下から上へ移動。20分ほど置いてから温湿度計で確認したところ、上下段の差は無く65%になっていた。
金継ぎの漆風呂というと、箱の中に濡らした雑巾などを置き、その上に簀子を乗せて漆を乾かすという方法を紹介しているものが殆どだが、この方法だと高さ20㎝程度までのものしか湿度をきちんと与えることが出来ない。実は濡らした雑巾は上に吊るす方が湿度調整には良い。
密閉した空間内では湿度は上へ移動しない。個人的にめちゃめちゃ納得する発見であった。

〔 829文字 〕 編集

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