猫田に小判 -新館 -

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2024年2月の投稿2件]

2024年2月8日 この範囲を時系列順で読む この範囲をファイルに出力する

拡大鏡で仕事の寿命が少し伸びた、という話

No. 91 :
#徒然なる日記 #どうでもいい思い付き #陶磁器修理 #金継ぎ

金継ぎで細かい作業するたびに眼鏡をずらしたり外したりする事に、そろそろストレスを感じるようになったため思い切って拡大鏡を買うことにした。

拡大鏡を使ってみてまず分かったのは、去年から「加齢で細い線を引くのが下手になったなぁ、いつまで修理を続けられるのかなぁ」と思っていたが、加齢で器用さが落ちたわけではなく視力の問題が大きかったということ。眼鏡を外すと細かいところまで良く見えると思い込んでいたが、否、拡大鏡で見える解像度とは雲泥の差。ちゃんと見えるということは、ちゃんと細かい作業が出来るということに直結しているのは、体感してみて五臓六腑に染みわたった。

そして、よく見えるようになって仕事の精度が上がると、材料の無駄もかなり減った。線が細く引けると、使う漆の量も金粉の量も結構驚くほど減るし、線だけではなく欠けに充填する錆も無駄に食み出さなくなるので使う量が減る。
無駄を減らす最良の策は、精度を向上させることだったんだなぁと納得した。いくら無駄を減らそうと頑張っても精度が低いうちは結局無駄が出てしまうわけで、逆に言うと、精度が上がると無駄を減らすとか考えなくても自動的に無駄が減っていくのだ。精度ってほんまに大切。

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(写真:親に修理を頼まれたカップ)

ちなみに拡大鏡はネットで検索しても金継ぎするのに最適な倍率が分からなかったので、試しに5倍と10倍の2つを買ってみたが、使いやすいのは5倍だった。
10倍は確かに無茶苦茶細かいところまで見えるようにはなるのだが、その分、見える範囲もピントの合う範囲も狭い。特にピントの合う範囲が狭いのは割とストレスで、レンズ中央から外れると像の歪みが大きいので立体物に線を引く時は拡大鏡を少しずつ動かして調整しなければならず、そのたびに線から筆が離れるので集中力が途切れる。1~2cm角くらいの欠けであれば範囲も狭いし割と平面なので10倍でも使いやすいが、初めて買うなら5倍くらいの方が総合的に使い勝手は良いと思う。5倍でも十分精度の高い仕事出来るし。

〔 910文字 〕 編集

2024年2月3日 この範囲を時系列順で読む この範囲をファイルに出力する

#徒然なる日記

昨年12月、弥生から更新するかどうかのメールが来たのだが、2024年から料金を1万円近く値上げするけどって書かれていた。

個人事業主になると1年目に税務署から、希望者には帳簿についてレクチャーが無料で受けられますよという手紙が来る(今もやっているかは分からないが宇都宮税務署はそういうサービスをしていた)。右も左も分からないことだらけだったので希望すると返答をしたら、〇月〇日に〇〇に来るようにと手紙が来たので行ってレクチャーを受けた時に使ったのが弥生会計というアプリだった。
別に弥生を推しているわけではないとの話だったのだが、結構1日みっちり弥生で会計を習ったので、帰ってから違うアプリを1から覚えるのは面倒だという理由で、それ以来19年間、弥生を使っているわけだ。

正直、弥生は自分のような小規模個人事業主にはオーバースペックなわけだが、まぁ、当時は弥生含めて2つくらいしか確定申告までトータルサポートするアプリが無かったということもあり仕方が無かったとも言える。だが、今ではカード使用情報や銀行口座入出金を自動管理してくれるアプリもいくつか出ているし、何より弥生は他のアプリに比べてサブスクリプション料金が高い。そのうえ料金値上げするという。

もう少し身の丈に合った料金の安いアプリは無いかと思っていたところ、Youtubeで紹介していたのがTaxnapというアプリ。クラウド型で、カードと銀行の情報をリンクさせAIが仕分けを提案するので可否判断をし、更に個人用と事業用をスナップで振り分けると仕分け台帳を作成してネット確定申告までやってくれて年間使用料が1万円くらい。キャンペーンで2024年3月までは無料で使えるというので早速登録してアプリダウンロードしてみたのだ。

で、1か月ほど使ってみたが残念ながら登録解除することにした。ネットでTaxnapを検索すると宣伝がらみの良い話しか出てこないので、登録解除することにした側の話も書いておこうと思う。
とは言え、Taxnapは出来の悪いアプリではないし、サービスとして悪くはないのは確かだ。ただし使用者がアプリが求めるものに適応した環境下であるかどうかで、使い勝手が大きく変わってしまう。問題はそこだ。

一番のネックは、私が使っているセゾンカードはTaxnapに対応していない、そして、足利銀行はネット利用が有料なので私がネットバンキングの申請をしていない、つまりカードと銀行の情報をTaxnapと連携出来ないわけで、そういう人には簡便さというメリットが全くない。
それでも、カードや銀行の情報が使えない人には手動でデータを打ち込むことが出来るようになっているが、例えば消耗品をカードで購入した場合「消耗品/事業主借」ではなく「消耗品/現金」でしか登録出来ない。個人事業主には必須ともいえる「事業主貸/銀行預金」というのも作れない。つまり現金の入出以外の記述が出来ないようになっている。
元々、ネットのカード情報で出入を管理する仕様だから、消耗品ならば購入後にレシートや領収書を保管しておいてカードで引き落としが行われるのを待ってからデータを打ち込んでいくという方法になると思うが、それを手動でスマホ上でやるのは非常に手間だし、物品の正確な購入時期も分からなくなる。12月に物品を購入し翌年の1月に引き落としの場合は会計的には問題なくても、年跨ぎは帳簿として使いにくい。
また、うちの場合、金継ぎ修理の代金は品物の出来上がりを見て頂き、仕上がりに納得できたら入金して頂く事にしている。(これは私が尊敬する方から、仕事は全部終わるまでお金を払ってはいけないし、お客さんから頂いてもいけない、と教えられたことが非常に大きい)。そのため修理品返却から支払いまでにタイムラグがあるので売掛金で処理をする必要があるのだが、売掛が扱えないため別途で売掛帳を自作しないといけない。
カードと銀行のデータ読み込みありきで作られたアプリなので仕方がないとはいえ、このアプリだけで全体を確認出来ないのは意外とストレスになる。

更に、Taxnapは他の会計アプリデータを読み込んでデータの引継ぎが出来ることになっているが、自動で読み込むわけではなくデータを送って読み込み作業をしてもらう手続きが必要で、手続き後2週間くらい待っていなければならず即時に乗り換えが出来ない上、弥生のデータは、売掛で会計したものも全て現金収入で計上されてしまうので月の入金合計が合わなくなる。
1年間のデータを入れてしまうと、弥生の帳簿と照合しながら手作業での不要データを削除する作業を行わなければならないわけだが、Taxnapに読み込まれる際、摘要の内容がすべて「弥生からインポート」と書き換えられてしまうので照合は金額しか判断材料が無く、また全ての摘要をひとつひとつ書き換えなければならない。摘要の表記は確定申告に直接関係することではないから放置するという手もあるが、後で見返したり調べたりする必要が出た時に無修正では明らかに困る。

アプリの問題点について問合せをすることは出来るのだが、LINEに登録してチャットで行う必要がある。私はLINEをやっていないので、そのためだけにアカウント登録をするのも面倒だ。

これらをクリアーするのは流石に発狂しそうなのでTaxnapは解約となったわけだ。

結局、Taxnapを気持ちよく使える人は、初めて会計アプリを導入するあるいは他の会計アプリの引継ぎが不要で、Taxnapが扱えるカードと銀行口座を持っていて、出来れば個人と仕事用のカードと銀行口座を別にしていて、売掛や買掛での取引が極めて少ないかやっていない。そしてLINEのアカウントを持っている、という条件に適合していることが必要だと思われる。
それと、Taxnapは複式簿記方式で台帳がクラウドに保管されているらしいが、初心者事業主に分かりやすいようアプリそのものは複式簿記で表示されない仕様なので、複式簿記の記述に慣れている人には分かりにくいというか、かなり頭の切り替えをしないと訳がわらかなくなる。

そんなわけで、2023年の確定申告をするために仕方なく弥生の更新料を払うことにしたが、正直、この先、弥生のサブスクの値上げが続いたらアプリのために貧乏一直線になる可能性があるわけで、一体どうしたものかなと思っている。

〔 2670文字 〕 編集

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