猫田に小判 -新館 -

Last Modified: 2025/04 RSS Feed

No.100

#徒然なる日記 #どうでもいい思い付き #金継ぎ

何年か前に光コラボのプロバイダーが酷かったので乗り換えた話をした。
前回は訳も分からず契約して失敗したので、今回はしっかりと内容を吟味し、切り替えたのは「enひかり」というプロバイダ。enひかりは安いし速度低下も無いので極めて良心的なプロバイダーで全く不満が無い事に加え、毎年夏にお中元が届くという律義さでもう頭が上がらない。

去年は素麺だったが、今年は素麺にタコ焼きの粉のセットであった。
粉もん文化圏の人間ではないので、家にタコ焼きプレートは無いし、そもそもたこ焼きを食うのは2年に1回あるかないか。これを機会にタコ焼きプレートを買うのもなぁと思って袋の裏を見たら、同じ粉でお好み焼きも作れるとレシピが書かれていた。粉を溶いた汁って同じものだったのか。知らなかった。
お好み焼きは、最近、カット野菜と卵を混ぜてレンジで加熱してから、かつお節とソースとマヨネーズを掛けるとお好み焼きモドキが作れると分かり、昼飯に何度か作っていたので、これに粉汁を入れたら多分出来るのだろうという予測は出来る。
というわけで、カット野菜を使ってレシピ通りの分量の粉汁を混ぜてレンジで加熱してみたところ、それっぽいお好み焼きになった。

粉は4人分あり、まだ何回かお好み焼きを作る事が出来るので、毎日、昼はお好み焼きを食べる事にしたのだが、計量が面倒なのでカット野菜も水もレシピを見ずに適当に混ぜたら、お好み焼きというよりもデカいタコ焼きを食っているような感じになった。それで気付いたのだが

「お好み焼きは粉汁を繋ぎとして具材を固めた料理で、タコ焼きは粉汁に具材を入れて固めた料理だ」

お好み焼きは焼き物だが、タコ焼きは膜で覆われた煮物。つまり具材は似ていても、料理のアプローチが全く違う。タコ焼きの中トロというのは、汁気の多い煮物だからなのか。
お好み焼きは鉄板、タコ焼きは特殊形状という道具の違いも、こういう理由からなのかと妙に納得した。

すると、頭の中で急に結びついた事がある。錆漆の扱いだ。

金継ぎのやり方のハウツーを見ていると、錆漆には非常に柔らかいものを作って重ねる方法と、硬めのものを作って厚めに盛る方法の2つがあって、同じ錆漆でもかなり混ぜる比率に幅がある。
個人的に金継ぎで使う錆漆は硬めの方が良いと思っているので、何故、柔らかいものを使うのか不思議だったのだが、これって料理の違いと同様でアプローチの違いなのではないだろうかと。

では、どういうアプローチなのかと考えた結果、恐らく胎の違いによるものだろうと推測出来た。
私は金継ぎから漆を扱うようになったので、陶磁器ファーストで漆の扱い方を決めてきたため錆は粘土の延長線上にある。だから「鉱物粉を漆で繋ぐ」という考え方で砥の粉と水と漆以外は使わず、粘りが出るまでしっかりと錬ることで硬めの錆にするのだが、漆器を作ってきた人は、木製品ファーストで漆の扱い方を決めてきたため「厚塗りが出来る硬めの塗料」というアプローチで練り数が少ない柔らかい錆を使っている。練り数が少ないため可塑性として米糊を入れる。
このように、同じ錆でも、胎に対するアプローチの違いで硬さに違いが出るのだと思われる。

漆単体よりも早く凹みを埋めるという目的は同じでも、こうやって違いが生まれるのかと妙に納得した。

〔 1432文字 〕 編集

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