猫田に小判 -新館 -

Last Modified: 2025/04 RSS Feed

No.108

年末年始で勉強したという話

No. 108 :
#徒然なる日記

正直、私は頭が悪い。どれくらい頭が悪いかというと中学で1年浪人し、やっとのことで高校に入った経歴を持つ程度には悪い。
なので当然、高校でも成績は悪く、授業でも全く理解出来ずに喋っていたので外を走ってろと言われて結構な時間を外で過ごした記憶がある。

そんなわけで高校のテストの点は赤点を連発していたが、何故か大学で講義を聴いたり陶芸の本を読むのは好きだった。(美大なので講義内容が好きに選択出来たことは大きいと思う。)だから陶芸に関する鉱物学や化学式はそこそこ分かるようになった。
そんな状態で金継ぎ屋を始めたので、漆についての座学的な知識は今にして思えば皆無と言っても良い状態が長かったと断言しても良いだろう。経験則だけが武器だったようなものである。もっとも、あの頃はネットを見ても漆の情報なんて無かったし、田舎の本屋では書籍も見つからなかったから経験則しか武器が無いのも仕方がなかったのかもしれないが。とにかく20年を掛けて、やっとおぼろげに漆の少し専門的な話を理解出来る程度にはなったわけである。

で、最近、金継ぎの漆の質問をされたり、年末年始が無茶苦茶暇だったこともあって、もう一度高校の有機化学を勉強し直そうという気になった。
別に受験をするわけではないので、テストの問題が解ける必要は無い。漆についての論文をもう少し理解出来る知識がほしいということで、ネットのサイトを読んだりYoutubeの高校の基礎化学の動画を何度も見たりしていた。

最初は何を言っているかさっぱり分からなかったが、繰り返し見ていると不思議なもので頭の中で知識が組み上がってくる。学生の頃のように浸み込む事は当然無いので、とにかく何度も見直す必要はあったわけだが、少なくとも高校の頃よりは知識が付いたというか、高校では組み上がらなかったパズルを組み上けることが出来るようになった。
しかも、自分でも驚くことに高校の基礎化学が分かると、ちゃんと漆の論文を読んでも8割くらいは理解が出来る。
漆の論文は(スペクトル分析の値が云々ってのは理屈は分かっても何となくしか理解出来ていないが、それ以外の骨子については)高校の基礎化学の知識があれば、結構ちゃんと読めるものだということが分かった。基礎化学って基礎というだけあって、やっぱり大切なのね。

いくつになっても勉強は出来るという言葉は、こういう事かと今更ながらに五臓六腑に染み渡った。
歳を取ってから放送大学とかで学びたいという大人が多いのは、この感覚なのかと若干目から鱗であった。

と、そんな事があったので、実はnoteの金継ぎ解説 の漆についての部分は少し加筆訂正をしたりしている。
本でも重版の際に修正したりってのがあるけど、まぁ、それと似たようなものだと思う。

〔 1175文字 〕 編集

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