猫田に小判 -新館 -

Last Modified: 2024/04/14(Sun) RSS Feed

No.68

#金継ぎ #陶磁器修理 #陶芸

陶芸の粘土に使う水は、水道水よりも雨水を溜めたものが良いというのは昔から言われている。何ならボウフラや水苔が混ざっていて、寝かせる間にカビが生えるような粘土が良いという話もある(流石に生き物を練り込んでしまうのは可愛そうなので私はやったことは無い。)
実際、粘土を練って柔らかくする際には井戸水や雨水を使うと水道水よりも混ぜやすいし粘りも早く戻る感じはする(個人の感想です)。粘土が墨汁を拭き取った後の雑巾みたいな臭いになるので個人用では使ったりもするが、講習会用の粘土は水道水を無加工で入れて練っているけども。

そんなわけで天然の物に水を加える際には水の鮮度ということは余り考えたことが無かったわけだが、どうも近ごろ錆漆の乾きが悪いというか乾きが遅いような気がして、エアコンの無い作業場の暑さ(大体30~32℃)で錆漆の漆の酵素が失活しているとか、いや、まさかな。と原因が分からずにいたのだが、昨日、加水する為に使っている洗浄瓶の底に緑色のカビが発生していたことに気付く(雨水ではなく普通の水道水だが2週間くらい入れ替えていないと思う)。上に書いたように、水の鮮度に無頓着だったので水カビごときで漆の乾きは左右されないだろうと、その時は思ったわけだが一応カビを取り除いてアルコールで滅菌させてから新しい水道水を入れ直して錆を作ったら、今日、ちゃんと硬くなっていた。

で、気付いたわけですよ。生漆は夏に水球の水が腐って酵素が失活し固まらなくなるのだから、錆を作る時の水もカビが発生した水を使ったらダメじゃんか、と。
漆作業で加える水は、粘土と違って鮮度の管理は大切だったんだなぁ。
そういえば、日本では漆芸に使う水は全て軟水だと思うけど、硬水が原因で錆漆の乾きが悪いとかいうのもあったりするのかなぁ。国によっては石灰を混ぜたりフッ素を混ぜたりすることもあるし。そういうところの漆の扱いってどうなっているんだろうか。

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