猫田に小判 -新館 -

Last Modified: 2024/04/14(Sun) RSS Feed

No.33

ワンナイトラブな話

No. 33 :
#徒然なる日記 #猫

お久しぶりでございます。超お久しぶりでございまする。
年末から年始に掛けてインフルエンザにかかり、肺炎の一歩手前までいき、2月にも風邪を引いたせいで完全に体内エネルギーが枯渇してしまい、ブログを書こうというエネルギーが溜まるのに4か月を要してしまいました。
先日ちょっと面白い事があり、やっとブログを書こうという気になりました。東京で拾ってきた猫「猫田さん」が亡くなって以来、猫田に小判というタイトルなのに全く猫に無縁な内容が続いてきましたが、今回は猫の話でございます。では参りましょう。

去年から家の周りで野良猫が日向ぼっこをしているのを何度か目撃し、それまで全く猫に関心が無かったのだが、ちょっと気になってカリカリ餌を出してみたら、毎日、餌を食べに来るようになった。何匹か来るようになり、そのうちの1匹は子連れである。子猫はやんちゃでウロウロするので親は必死に子猫を追いかけていて、お母さん大変だなぁなどと思っていたが、やがて子離れの時期になり親子別々で餌を食べに来るようになった。子供は成長が早くどんどん大きくなっていく。

先日、その子供だった猫が必死に鳴いているので何かと思って外を見たら、猫のお尻から何かが出ている。は?と思い良く見たら体が半分出た状態の子猫であった。初産で気が動転しているのか、どうして良いか分からず此処へ来たという事ではないかと思う。驚いて段ボール箱を探し、外に出たところコンクリートの上に、まだ胎盤とへその緒が付いたままの子供が産み落とされていた。取り合えずへその緒を手で千切って子供を箱に入れ、親猫も箱に入れようとしたが、興奮して私を威嚇するばかりで手が付けられない。早く子供の体を綺麗にして乳を飲ませないと死んでしまうかもしれない。だが親猫は興奮するばかりで、やがて何処かに逃げてしまった。

残された子猫は必死に鳴いているが、徐々に声が小さくなっていく。このままでは間違いなく死ぬ。それも運命という考えもあるだろうが、その時はダメ元でやれるところまでやってみようと何故か諦める気にならなかった。羊水まみれでびしょびしょの子供の体をマッサージし、口から薄めた牛乳をストローで注ぐ。だが子猫の声はどんどん出なくなり、やがて体も冷たくなってきた。この方法ではダメだなと思い、体をティッシュで拭いて両手で子猫を挟み、手の体温で温めて、少しマッサージをして、また温める。
それを3時間ほど繰り返していたところ、自力で手足を動かすようになった。急いで起毛タオルで包み、近くで子猫用ミルクと哺乳瓶を買い、注意書きに従ってミルクを作り口元へ持っていくが、まだ自分から飲むほどの力が無い。ネットで調べるとスポイトを使うと分かるもスポイトは持っていない。しかし、漆用に試しに買った2.5mlのシリンジが残っていたじゃないか!と気付き、新品のシリンジを出してミルクを入れ、子猫の口に注入する。飲んでいるかは分からないが、少しずつシリンジのミルクが減っていく。
子猫が生まれてから5時間後、やっと小さな声を出して自力で移動しようとするようになった。体毛も乾いてきて、少しずつ体も温かくなってきた。ダメ元でと思って始めたが、よしっイケるっという自信が何故か沸いてきた。少し寝る(寝るのかどうか分からないが静かになる)、いきなり動き出して鳴く、シリンジを口に突っ込んでミルクをちょっと入れる、少し寝る、というローテンションを何度も繰り返し、徐々に子猫の声が大きくなってきたところで夜になる。
歳で完全な徹夜は無理なので、布団に横になり起毛タオルで包んだ子猫を胸の上に置き、体温で子猫を温めながら猫の声で起こされたらミルクを飲ませようと思い布団に入る。ウトウトする、声で起きる、ミルクを飲ませる、声を掛けながらマッサージをしながらウトウト寝る、というローテーション。起きるたびに時計を見ていたら、ほぼ1時間のローテーションスパンらしい。で、朝8時になる。子猫は全身を使って大きな声で鳴く事ができるようになった。産後の死にそうな時とは別な子猫のようである。

布団から出て洗顔歯磨きをする。徹夜ではないが、ずっとウトウトしていただけあって顔が脂ギッシュである(笑)パンを齧りながら引き続き子猫の面倒を見ていたら窓の外に猫の影が見えた。どの猫が来たのかと見たら、昨日逃げて行った親猫がカリカリ餌を食べていた。親猫の腹がペッタンコになっている。出産終わったんだと思いながら急いで窓を開けて親猫に子猫を見せたところ、親猫は1分くらい子猫の臭いを嗅いだり頬ずりをしてから一声二ォ~と鳴いた。すると子猫もそれに反応して大きな声でピーピーと鳴き始める。一晩会わなかったし子猫には人間の臭いが付いてしまったからどうなる事かと思ったが、どうやら双方で親子と認識したらしい。親猫の前に、タオルに包んだ子猫をそっと置いてみたところ、親猫はゆっくりと、しかし、しっかりと子猫を咥えて走り去り見えなくなった。

子猫が居なくなり、段ボール箱やミルク類を片付け、コンクリートに付いた血痕を洗剤で洗って落とし、いつもの日常が戻ってきた。コンクリートの血痕を洗っている時、遠くの方から、あの子猫と思われるピーピー鳴く大声が聞こえてきた。あぁ、あっちの方で子育てしているんだと分かった。親猫は子猫の大声に驚いているかもしれない。兄弟たちもお姉ちゃん(お兄ちゃんだったかもしれない)元気だなぁと思っていたりするかもしれない。
たった一晩だったが、子猫と過ごした時間は大変であると同時に、生命力というものに触れてとても楽しい時間でもあった。あの子猫とまた会うことが出来るだろうか。大きくなってカリカリ飯を食べに来たりするだろうか。目も開いていなかったし、たった一晩だったから、きっと私の事は忘れてしまうだろう。でも大きくなった姿を見る事が出来たらなぁと勝手に楽しい未来を想像している。

子猫1
子猫2

〔 2454文字 〕 編集

■全文検索:

■インフォメーション

猫田に小判 -新館- は、猫田に小判(使用していたCGIの開発が終了してしまったため更新を停止)の続きでやっているブログです。
気分次第の不定期更新です。3ヶ月に1回くらいで見に来て頂くと、更新している可能性が高いです。
ちなみに当ブログとほぼほぼ関連性の無い事か、ブログに纏める前のアイディア程度の浅い内容しか書きませんが、Twitterはこちら
コメント欄の無いブログCGIなので、ブログについてのご意見はTwitterのリプライやDMでお願いいたします。

編集

■日付検索:

▼現在の表示条件での投稿総数:

1件

ランダムに見る