猫田に小判 -新館 -

Last Modified: 2024/04/14(Sun) RSS Feed

全年全月8日の投稿5件]

2024年2月 この範囲を時系列順で読む この範囲をファイルに出力する

拡大鏡で仕事の寿命が少し伸びた、という話

No. 91 :
#徒然なる日記 #どうでもいい思い付き #陶磁器修理 #金継ぎ

金継ぎで細かい作業するたびに眼鏡をずらしたり外したりする事に、そろそろストレスを感じるようになったため思い切って拡大鏡を買うことにした。

拡大鏡を使ってみてまず分かったのは、去年から「加齢で細い線を引くのが下手になったなぁ、いつまで修理を続けられるのかなぁ」と思っていたが、加齢で器用さが落ちたわけではなく視力の問題が大きかったということ。眼鏡を外すと細かいところまで良く見えると思い込んでいたが、否、拡大鏡で見える解像度とは雲泥の差。ちゃんと見えるということは、ちゃんと細かい作業が出来るということに直結しているのは、体感してみて五臓六腑に染みわたった。

そして、よく見えるようになって仕事の精度が上がると、材料の無駄もかなり減った。線が細く引けると、使う漆の量も金粉の量も結構驚くほど減るし、線だけではなく欠けに充填する錆も無駄に食み出さなくなるので使う量が減る。
無駄を減らす最良の策は、精度を向上させることだったんだなぁと納得した。いくら無駄を減らそうと頑張っても精度が低いうちは結局無駄が出てしまうわけで、逆に言うと、精度が上がると無駄を減らすとか考えなくても自動的に無駄が減っていくのだ。精度ってほんまに大切。

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(写真:親に修理を頼まれたカップ)

ちなみに拡大鏡はネットで検索しても金継ぎするのに最適な倍率が分からなかったので、試しに5倍と10倍の2つを買ってみたが、使いやすいのは5倍だった。
10倍は確かに無茶苦茶細かいところまで見えるようにはなるのだが、その分、見える範囲もピントの合う範囲も狭い。特にピントの合う範囲が狭いのは割とストレスで、レンズ中央から外れると像の歪みが大きいので立体物に線を引く時は拡大鏡を少しずつ動かして調整しなければならず、そのたびに線から筆が離れるので集中力が途切れる。1~2cm角くらいの欠けであれば範囲も狭いし割と平面なので10倍でも使いやすいが、初めて買うなら5倍くらいの方が総合的に使い勝手は良いと思う。5倍でも十分精度の高い仕事出来るし。

〔 910文字 〕 編集

2023年9月 この範囲を時系列順で読む この範囲をファイルに出力する

#徒然なる日記

長らく風呂で体を洗う時には固形石鹸を使っている。洗顔石鹸、ヘアシャンプー、リンス、ボディーソープといろいろ使うのが面倒になったので、固形石鹸1個で全部まかなう事にしている。髪はリンスとかコンディショナーを使わないとパサパサするだろうと言われるが、徐々に髪が固形石鹸に慣れて来るのか、よく洗い流せばバサバサしなくなるので、本当に風呂場には石鹸1個しかない。

最初は牛乳石鹸の青箱を使っていたが、結構、顔の肌がつっぱるので赤箱にした。しかし、しっとりはするがバラの香りが強くてどうも好きになれず。
ミヨシの無添加せっけん、シャボン玉無添加浴用せっけん、カウブランド(牛乳石鹸)無添加せっけんと変遷して、しばらくカウブランド無添加せっけんで落ち着いていたのだが、今年はとにかく暑くて汗をかくので、ちょっと香料の入っているやつのほうが良いかなと思い、カウブランド自然派石けんオリーブを買ってみた。
香りは良い。流すと香りが強く残らない感じも良いのだが、結構、顔の肌がつっぱる。自然派の保湿剤が入っているらしいので保湿はしているかもしれないが、なんかちょっと顔がピリピリする。なるほど、あくまで自然派であって無添加とは違うんだなぁ。
で、結局、牛乳石鹸の無添加石鹸が、自分の肌には一番合っているという結論に至る。無添加だから香料入れたら無添加じゃなくなるのだろうが、無添加石鹸で自然派せっけんの香料だけ入れたバージョンってのがあれば一番だと思うが。なかなか自分の好みの石鹸に出会うというのも難しいものだ。

〔 685文字 〕 編集

2023年8月 この範囲を時系列順で読む この範囲をファイルに出力する

#徒然なる日記 #珈琲 #どうでもいい思い付き

修理でご贔屓頂いているお客様から、ミルカフェ(Mille Cafe) というデンマークのポリプロピレン製ドリップフィルタを頂いた。1000回ドリップできるフィルタで、紙を無駄にしないからエコらしいが、そのぶん洗浄で水を多めに使うのでエコかどうかは懐疑的だが、そこは置いておくとして、試しに使ってみたら珈琲のフレーバーが一段上になるというか、この豆ってこんな味だったのかと驚いた。ペーパードリップの際には、紙の臭いがしないという酸素漂白のアバカ珈琲フィルタを使っていて結構満足していたが、ミルカフェと比較してみると、やっぱり微妙に紙の感じが珈琲に影響するというか、かなり珈琲の旨い部分を削られてしまっているように思う。

ところで、バリスタ世界チャンピオンの粕谷哲さんのYoutubeで蒸らし無しの一投式ドリップ というのを紹介していて、やってみたところ複数回に分けてお湯を注ぐ方式と味は違うけれど、これはこれで非常に旨い。そして何より朝に眠気眼でやるには丁度良い手順だったので、最近はずっと一投式で入れていたのだが、ミルカフェでも出来るかなとやってみたら、これがかなり旨い。

更に、一投式は複投式に比べると少し味が軽めなになるのだが、お湯を入れてステアしてみたらどうかなと気付いてやったら、一気に味が複雑になって重みが出た。無茶苦茶旨い。
というわけで、今は、ミルカフェに細挽きの粉を入れて、既定のお湯を一気に注いだ後、スプーンを3回軽く上下させてステア。という手順で落ち着いている。

〔 696文字 〕 編集

2020年11月 この範囲を時系列順で読む この範囲をファイルに出力する

金継ぎの陶磁器接着の錆漆、の追記事項

No. 38 :
#金継ぎ #陶磁器修理 #ガラス用漆

2つ前のブログで陶磁器の金継ぎで接着をするときに使用する接着用錆漆の最適混合比についてを記載したが、使用する砥の粉や漆の種類によっては少し硬すぎるという話があったので、調整について追記。

陶磁器接着用錆漆は「砥の粉:漆:水=4:2:1」を基本とするが、水の量で硬さの調整が可能。最大で「砥の粉:水:漆=4:2:2」つまり漆と同じ量(重量比)まで増やすことが出来る。これはガラス板で挟んで固まり方を観察して確認したもので、おそらく、余程粒子の荒い砥の粉とか、水分の多い漆でない限り、この範囲で接着用として機能すると思う。
なお、水分量が増えると硬化も早くなるので、ある程度の手早さが必要になってくる。あまり大きな器だと断面に塗っている最中に固まり始め、結果的に張り合わせる時には硬くなってしまう可能性もあるので、その辺は数をこなして自分の作業速度から水分量を推測できるようになるしかない。無責任な物言いになってしまって申し訳ないけれども。
ちなみに水分量が漆の量を超えると、表層の漆が乾き、中の漆が乾かない状態になりやすく、厚みのある器や磁器ものでは再破損が起こる可能性が高くなるので、あまり目分量で混ぜたりせず面倒でも計量器でちゃんと計量する事をお勧めする次第。

〔 572文字 〕 編集

2019年6月 この範囲を時系列順で読む この範囲をファイルに出力する


#金継ぎ#ガラス用漆 #陶磁器修理

少し前にコーヒーフィルターで漆を漉すと滑らかで塗りやすい漆になるよ、という話を書いた。その際、漆と弁柄を混ぜる時にサランラップを使用していたのだが、もしかしてクッキングシートを使った方が混ぜやすいのではないかと閃き、試しに使ってみたら混ぜる時にも丈夫だし、漆を漉す時にも押し出しやすいという事で、即、サランラップからクッキングシートに切り替えた。サランラップをクッキングシートに替えただけなので、写真で解説する必要もないかなと思ったが、一応、写真と簡単な補足だけ書いておこうと思う。
ちなみに、どうしてクッキングシートを思いついたのかだが、少し前から破片接着後の固定をマスキングテープからグルーガンに替えて試しているのだが(これについては、もう少し数をこなしてから書こうと思っている)、グルーガンが温まってきた時にグルーがダラ~っと垂れる事があり、この垂れたやつを机に付かないようにする方法は無いかと調べていて、クッキングシートにはグルーが付着しないと分かり、グルーガン作業の時には机にクッキングシートを敷くようにした時に、漆を混ぜるのもこれで良いじゃん、と思ったわけである。
写真のクッキングシートは100均(ダイソー)製品を使用している。マツモトキヨシのクッキングシートも使ってみたが、どちらも使い勝手は全く同じなので、クッキングシートであればどこのメーカーでも使用可能だと思う。ほとんどのクッキングシートは表裏にシリコーンコーティングしてあるので、どちらの面を使っても問題ないが、もしかしたら片面のみのシートがあるやもしれないので、その場合は、シリコーンコーティングのある面で漆を混ぜるようにして下さい。



クッキングシートに漆と弁柄を出します(比率は任意ですが、私は漆100に対して弁柄40(重量比)にしています)。




クッキングシートの上でよく混ぜます。




上からコーヒーフィルターを乗せて、3つに折ります。
その後の押し出し作業からは、前回の説明と同様です。

〔 888文字 〕 編集

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