タグ「金継ぎ」を含む投稿[9件]

細部の研磨には田楽棒。という話

No. 23 :

#金継ぎ #陶磁器修理 #修理道具

少し前ツイッターに、OLFAで販売終了になってしまったテクニックナイフの代替品には、同社のアートナイフプロに大型刃18mmを折って付けると調子が良いぞ。と書いて写真を一緒に上げたところ(↓この写真)



それを見た人から「あの竹の棒は何ですか?」と質問された。気になったのはそっちっすか。テクニックナイフの代替品に気付いた方が凄いと思っていたのだが、世間ではカッターよりも細かい所の研磨の道具の方が上らしい。まぁ、聞かれたら答えるのを信条にしているのでブログにも作り方を書いておこうと思う。




使用するのはダイソーなどで売っている田楽櫛(100円で30本くらい入っているやつ)。前はホームセンターで竹を買って切り出してましたが超面倒なので、手軽に作れるものを探して田楽櫛に行きつきました。割りばしでも良いけれど、出来るだけ平たくて強度がある方が、細かいところを研磨するには使いやすいので、私は田楽櫛を使っております。




先端が開いているので、接着剤で付けて閉じます(これで田楽棒になります)。
グルーガンで付けてますが、アロンアルファでも木工用ボンドでも何でもいいと思います。私は水研ぎはしないですが、水研ぎでも使いたい方は耐水性のある接着剤(ボンドG17などのゴム系とか、SUウルトラ多用途のような変性シリコン系とかを使う方が良いでしょう)




更に、両脇をカッターで削って3mm程度にします。研磨する箇所によって1.5mm、3㎜、5㎜(5㎜は削らない状態)を作っておくと良いのですが、ほとんど3㎜で事足りるので、まずは3㎜を作って試して頂くのが良いと思います。




次に、紙やすりの裏に、スポンジ両面テープを貼りつけます(私はダイソーの20mm幅を使っていますが接着力が不安な方は、もう少し幅の広い物の方が良いかもしれません)。
400と書いてあるのは、番手400という意味です。




テープ幅で切り離します。




私の場合、器には出来るだけ傷を付けたくないので研磨作業の8割ぐらいは木賊(とくさ)を使っていますが、木賊では入らない場所や、かなり広い面積のところ、金蒔き前の下地では紙やすりを使います。
番手180と400(錆漆成形用)、800(漆下地調整用)、1500(金蒔き下地用)の4種類。(180と400は木賊の補助なのでほとんど使いませんが)
両面テープを貼った紙やすりを、番数を書いた洗濯ばさみでカッターマットに裏向きに止めて、いつでも使えるようにしています。




で、使う時には、カッターで3㎜幅(目検討)で切ります。
裏から切った方が切りやすいのと、カッターの刃が長持ちします。(なので、カッターマットにも裏向きで止めています)




両面テープの裏紙を剥がして、最初に作った田楽棒に半分だけ付けて




折り返してVになるように貼ります。




これで出来上がりです。
研磨力が落ちてきたら、紙やすりを除去して、また3㎜で切り出して同じように張り付けて使います。

ちなみに紙やすりに両面テープを貼って使うというアイディアは私が考えたわけではなく、フィギュア制作のサイトで見つけました。一般的によく使う方法のようです。
田楽棒を使うのはオリジナルだと思いますが、私より先にやっていた人がいる可能性はありますので、別にオリジナルを主張する気はありません。使いやすそうだと思った人はどんどん試したり改良してみてください。

〔 1475文字 〕 編集

あしらい毛棒をリサイクルするという話

No. 21 :

#金継ぎ #陶磁器修理 #修理道具

前に、金継ぎで金を蒔く作業には、まずこの道具を揃えようという話で「あしらい毛棒」を紹介したが、あしらい毛棒はけっこう消耗品だ。
あしらい毛棒を使う時のポイントは、穂先で金粉を捕まえ、軸を親指と人差し指でしっかり挟んで、中指で軽く軸を弾いで金粉を落とし、腹(毛の側面)で金粉だけを払って漆に定着させるという使い方になるが、この時、かなり慣れていても穂先に漆を付けてしまったり、相当に気を付けていても穂先は痛んで金粉を捕まえられなくなることもある。
それでも1年くらいは使えるのだが、やはり最終的には毛が固くなってきたり、付け根から開いたりして処分という事になるわけだが、使われている毛は、日本ムササビという貴重な動物の天然毛である。出来る事なら長く使いたい。

そこで、何とかリサイクル出来ないものかと考えて、数年前から、こんな感じでリサイクルして使っているので紹介しようと思う。


画像

穂先が固くなって、さらに開いてしまい、そろそろお役御免かなぁという感じの毛棒。



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穂先を指で寄せて、束ねた中央にアロンアルファを1滴垂らします。写真だと適当に垂らしている感じに見えますけど、本当は筆を上に向けてきちんと中央に垂らして下さい。でないと、後で中央の毛が抜けてしまいますので。
アロンアルファは勝手に浸透していくので1滴で十分です。不安になって何滴も垂らすと筆全体が固まってしまうので、1滴でお願いいたします。(写真のアロンアルファはエクストラ4000という市販では売っていない特別なものですが、市販の黄色い液状アロンアルファで十分です)
なお、アロンアルファは硬化時に刺激臭を発するので、顔を近付け過ぎず、また、十分な換気の出来る場所で行って下さい。



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穂先が硬化したのを確認したら、付け根をカッターで切ります。



画像

鋒(毛棒の毛の部分)をひっくり返して、接着剤で軸に付けます。
私は硬化が早く耐久性があるのでグルーガンを使っていますが、市販の接着剤であれば何でも良いと思います(耐水性とか耐熱性は関係ないので100均の接着剤でも大丈夫だと思います)。ただし、アロンアルファ液状は筆に浸透してしまう可能性があるので、使う時にはゼリー状を使うと良いでしょう。

接着剤が硬化したらリサイクル作業終了です。
天然毛を逆にして使ったらダメかなと思いましたが、金蒔き作業であれば普通に使えます。漆を塗ったりするような場合はキューティクルの方向が逆になるのでダメだと思いますけども(やったこと無いので分かりませんが)。

〔 1104文字 〕 編集


#金継ぎ#ガラス用漆 #陶磁器修理

少し前にコーヒーフィルターで漆を漉すと滑らかで塗りやすい漆になるよ、という話を書いた。その際、漆と弁柄を混ぜる時にサランラップを使用していたのだが、もしかしてクッキングシートを使った方が混ぜやすいのではないかと閃き、試しに使ってみたら混ぜる時にも丈夫だし、漆を漉す時にも押し出しやすいという事で、即、サランラップからクッキングシートに切り替えた。サランラップをクッキングシートに替えただけなので、写真で解説する必要もないかなと思ったが、一応、写真と簡単な補足だけ書いておこうと思う。
ちなみに、どうしてクッキングシートを思いついたのかだが、少し前から破片接着後の固定をマスキングテープからグルーガンに替えて試しているのだが(これについては、もう少し数をこなしてから書こうと思っている)、グルーガンが温まってきた時にグルーがダラ~っと垂れる事があり、この垂れたやつを机に付かないようにする方法は無いかと調べていて、クッキングシートにはグルーが付着しないと分かり、グルーガン作業の時には机にクッキングシートを敷くようにした時に、漆を混ぜるのもこれで良いじゃん、と思ったわけである。
写真のクッキングシートは100均(ダイソー)製品を使用している。マツモトキヨシのクッキングシートも使ってみたが、どちらも使い勝手は全く同じなので、クッキングシートであればどこのメーカーでも使用可能だと思う。ほとんどのクッキングシートは表裏にシリコーンコーティングしてあるので、どちらの面を使っても問題ないが、もしかしたら片面のみのシートがあるやもしれないので、その場合は、シリコーンコーティングのある面で漆を混ぜるようにして下さい。



クッキングシートに漆と弁柄を出します(比率は任意ですが、私は漆100に対して弁柄40(重量比)にしています)。




クッキングシートの上でよく混ぜます。




上からコーヒーフィルターを乗せて、3つに折ります。
その後の押し出し作業からは、前回の説明と同様です。

〔 888文字 〕 編集


#金継ぎ #漆ムロ

100均の材料で作る小型漆ムロの作り方を一部、変更いたしました。
底を作るためにアルミホイルを巻いて加工する処理を止め、同じアルミパネルを2個加工して組み合わせる方法に変えました。(写真も撮り直しました)
理由は、アルミホイルの加工は少し難易度が高い割に底の強度が低い事と、ムロの高さを調節したい場合に応用が利くためです。

〔 196文字 〕 編集

100均の材料で作る小型漆ムロの作り方

No. 17 :

#金継ぎ #漆ムロ

金継ぎ入門書は、漆の扱い方の説明に比べると、ムロの扱いが案外軽視される傾向が強い。夏は室内放置でも漆は固まるが、初冬~春にかけては、ちゃんとしたムロを作らないと漆を固めるのは難しい。特に私の住む関東内陸は温度も湿度も極端に低くなるので漆は絶対に固まらず泣く。また、漆ムロの事がよく分からず初心者が風呂場に修理品を置いて大失敗したというのは結構聞く話(漆は湯気のある場所に置いてはいけないという説明は、意外と書いてない)。なので本来は漆の扱い方と同様、ムロの構造の理屈や作り方についてもしっかりと説明すべきだと思う。
金継ぎの入門書ではないが、私が知る限りでムロ制作で一番丁寧に書かれているのは「漆塗り その美しさと実用と科学 (著者 豊島清・愛子)木耳社」の簡易漆風呂の取扱い方法の項目だと思うが、簡易という割には結構組み立て難易度が高い(笑)それと、他の本にも共通するが、既存の衣装ケースや発泡スチロールケースを使うため上蓋式になっているという問題点がある。上蓋式は蓋の開閉で湿度が一気に変化する欠点があるため、漆の硬化のタイミングを見るため開け閉めが多くなる初心者には扱い辛い構造だと思っている。
そこで、初心者が簡単に作れて、応用性も高い簡易漆ムロの作り方を書くことにした。また、作るにあたって次のような目標を立ててみた。

1)材料の調達が1店舗で済むよう全てダイソーで買える物
2)材料代は1000円以下
3)切り貼りなど面倒な作業は極力行わずに済む
4)無電源で使える
5)とりあえず説明通りに作れば漆が固まる
5)初心者でも漆の状態が確認しやすい
6)背が高い物や大きい皿などにも応用が利く

なお、ダイソーで揃えたのは近所にダイソーしかないからなので、似たような材料であれば他の100円ショップでも、ホームセンターでも問題は無い。ホームセンターの方が材質的には良いと思うので、お金をかけられる人は、しっかりした材料を選ぶ方が良い事は言うまでもない。では、作り方の説明に入ろう。


『 100均の材料で作る簡易漆ムロ 』

漆ムロ

用意する材料は上記写真で左上から

1.切って使える仕切り板 高さ4㎝以上用
2.30㎝幅のキッチンラップ
×3.25㎝幅のアルミホイル(使用しません)
4.ガスコンロ用アルミパネル 横90㎝×縦50㎝ ※ 2枚
5.キッチントレー用水切り網 24.2㎝×14.2㎝

6.ダブルクリップ 10個入
7.積み重ね整理棚 縦39㎝×横24㎝×高18㎝
8.ステンレス深型キッチントレー 25.5㎝×15.2㎝

写真には無いですが、
9.ビニル袋 28㎝×41㎝(透明ビニルであれば袋でなくても可)
10.使い捨てカイロ(貼らないタイプ)

その他、制作道具として
11.ハサミ
12.ホッチキス
を用意して下さい。任意でセロテープなどがあると尚良いでしょう。

以上。
では、実際に作ってみます。


漆ムロ

積み重ね整理棚の足を取ります(今回、1段なので足は使いませんが、2段、3段と棚を作りたい方は任意で考えて下さい)


漆ムロ

ガスコンロ用アルミパネルを、積み重ね整理棚の大きさに合わせて折り曲げ、積み重ね整理棚の「短辺+1㎝」の長さ(今回は19㎝)まで、上からハサミで切ります。
磁石は取るのが面倒なので付けっぱなしにしていますが、本当は取り除いた方が良いです。有っても何の役にも立ちませんから。積み重ね棚は、形を作る目安で置いてあります。邪魔でしたら退けておいても構いません。


漆ムロ

ムロの屋根を作るため、中央→左右の順に折り曲げます。


漆ムロ

屋根が落ちないよう、ホッチキスで留めます。留める箇所や数は任意で。最低3か所留まっていれば大丈夫ですが、心配な方は何箇所でも。


漆ムロ

同じサイズで、もう一つアルミパネルを加工します。


窯内

アルミパネルのどちらかを上下逆にして、2つのアルミパネルを組み合わせます。
出来るだけピッタリ合わせてから、適宜、ホッチキスでズレないように左右何か所か留めます。
もし、背の高い器を直したい、あるいは棚を2段にしたいなどの理由で、もっと高さが必要な場合はパネルをずらして適宜、高さを調整して下さい。


漆ムロ

更に気密性と蓄熱性を確保するため、サランラップで巻きます。
まずは前後に数回巻きます。たくさん巻くほど蓄熱性は上がります。
力を入れて引っ張りながら巻くと、アルミパネルが変形してしまうので、力の加減に注意して緩めに巻いて下さい。


漆ムロ

前後に巻いたら、次に左右に巻きます。
蓄熱は空気層を多く確保すると向上しますので、今回はラップで複数回巻きしましたが、荷造り用の発砲シートでも良いと思います。


窯内

巻き終わったら、品物を出し入れする入り口のラップは切ります。
全部切り取ってしまっても構いませんが、私は勿体ないので上だけ切って、下は折り返しました。


漆ムロ

ムロの外側が大体完成しました。
開口部の処理は、後でやります。今付けてしまうと、棚を入れる時に邪魔なので。


漆ムロ

次に、修理品を置く棚を作ります。
切って使える仕切り板を3枚使って、積み重ね棚が乗るように「コの字形」を作って下さい。
4㎝の高さを確保したいので仕切り板を使っていますが、もっと丈夫な方が良い方は発砲スチロールブロックなどを加工するのも良いと思います。もっと凝りたい方は、最初に取り除いたスチールの足をペンチなどで曲げて、また接続するなど工夫してください。
木材の足はムロの湿気を吸ってカビが付きますので、お勧めしません。


漆ムロ

仕切り板が出来たら、積み重ね棚を乗せて安定してるか確認してください。


窯内

問題が無さそうなら、アルミパネルで作ったムロにセットします。


窯内

加湿と加熱をするためのトレーを作ります。
作りますと言っても、キッチントレーに水切り網を乗せるだけです。


漆ムロ

キッチントレーに水を入れ、水切り網を置いて、その上に加熱し始めた使い捨てカイロを置きます。
水の量は、お猪口2杯程度で十分です。このムロは非常に気密性が高いので、一度湿度が上がるとなかなか下がりませんから、タップタプに入れる必要はありません。
容器はプラスチックでも、魚の発砲スチロールトレーでも何でも良いのですが、熱反射の可能性を考えてステンレスにしています。出来るだけお金をかけたくない人は、取り敢えずスーパーの発砲スチロールトレーに割りばしを何本か置いた程度でも良いと思います。


漆ムロ

キッチントレーを、積み重ね棚の下に入れてセット完了です。


漆ムロ

最後に、出入れ口のアルミパネルを1㎝切って曲げます(ビニルを付けるため)。


漆ムロ

透明ビニルをクリップで留めて完成です。
この時、隙間があると湿度が逃げてしまうので、ビニルは出来るだけピンと張り、アルミパネルの曲げ角度を調節して気密性が高まるようにして下さい。


漆ムロ

ちなみに、部屋の温度が18度、湿度50%の時、ムロを作って1時間経過時、温度は21度、湿度80%になりました。3時間後は温度24度、湿度86%ですので、漆が乾く条件はクリアーしています。
湿度はそう簡単には落ちませんが、温度は部屋の気温に影響を受けやすいので、部屋の気温が上下しやすい場所に設置する時は、もう少し蓄熱性を上げる工夫は必要かもしれません。使い捨てカイロが20時間で冷めてしまうので、長期使用する場合はコストが高くなる点も弱点です。

今回は茶碗2個程の修理を想定し1段組にしましたが、2段、3段と増やしたり、背の高い花器の修理をする場合などは、アルミパネル作成のところで記載したとおり、アルミパネルをずらしたり、複数組み合わせて大きさを可変して下さい。

このムロの最大のメリットは、安いのに気密性が高い事、中がよく見えるので漆の変化が分かりやすい事、作品の出し入れはビニルを必要な分だけ持ち上げれば良いので湿度が変化しにくい事です。
特に金蒔き作業は、漆の硬化状態の頻繁な確認が必要になるので、使ってみるとムロのメリットが実感できるのではないかと思います。

なお、カビが出にくい材料を選んでいるので耐久性はそこそこありますが、あくまでも叩き台としての漆ムロなので、ご自身の使用頻度や修理品の状況に合わせて、どんどんバージョンアップして下さい。

〔 3465文字 〕 編集

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