2019年7月6日の投稿(時系列順)[1件]
細部の研磨には田楽棒。という話
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23
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2019年07月06日(土)
#金継ぎ #陶磁器修理 #修理道具
少し前ツイッターに、OLFAで販売終了になってしまったテクニックナイフの代替品には、同社のアートナイフプロに大型刃18mmを折って付けると調子が良いぞ。と書いて写真を一緒に上げたところ(↓この写真)
それを見た人から「あの竹の棒は何ですか?」と質問された。気になったのはそっちっすか。テクニックナイフの代替品に気付いた方が凄いと思っていたのだが、世間ではカッターよりも細かい所の研磨の道具の方が上らしい。まぁ、聞かれたら答えるのを信条にしているのでブログにも作り方を書いておこうと思う。
使用するのはダイソーなどで売っている田楽櫛(100円で30本くらい入っているやつ)。前はホームセンターで竹を買って切り出してましたが超面倒なので、手軽に作れるものを探して田楽櫛に行きつきました。割りばしでも良いけれど、出来るだけ平たくて強度がある方が、細かいところを研磨するには使いやすいので、私は田楽櫛を使っております。
先端が開いているので、接着剤で付けて閉じます(これで田楽棒になります)。
グルーガンで付けてますが、アロンアルファでも木工用ボンドでも何でもいいと思います。私は水研ぎはしないですが、水研ぎでも使いたい方は耐水性のある接着剤(ボンドG17などのゴム系とか、SUウルトラ多用途のような変性シリコン系とかを使う方が良いでしょう)
更に、両脇をカッターで削って3mm程度にします。研磨する箇所によって1.5mm、3㎜、5㎜(5㎜は削らない状態)を作っておくと良いのですが、ほとんど3㎜で事足りるので、まずは3㎜を作って試して頂くのが良いと思います。
次に、紙やすりの裏に、スポンジ両面テープを貼りつけます(私はダイソーの20mm幅を使っていますが接着力が不安な方は、もう少し幅の広い物の方が良いかもしれません)。
400と書いてあるのは、番手400という意味です。
テープ幅で切り離します。
私の場合、器には出来るだけ傷を付けたくないので研磨作業の8割ぐらいは木賊(とくさ)を使っていますが、木賊では入らない場所や、かなり広い面積のところ、金蒔き前の下地では紙やすりを使います。
番手180と400(錆漆成形用)、800(漆下地調整用)、1500(金蒔き下地用)の4種類。(180と400は木賊の補助なのでほとんど使いませんが)
両面テープを貼った紙やすりを、番数を書いた洗濯ばさみでカッターマットに裏向きに止めて、いつでも使えるようにしています。
で、使う時には、カッターで3㎜幅(目検討)で切ります。
裏から切った方が切りやすいのと、カッターの刃が長持ちします。(なので、カッターマットにも裏向きで止めています)
両面テープの裏紙を剥がして、最初に作った田楽棒に半分だけ付けて
折り返してVになるように貼ります。
これで出来上がりです。
研磨力が落ちてきたら、紙やすりを除去して、また3㎜で切り出して同じように張り付けて使います。
ちなみに紙やすりに両面テープを貼って使うというアイディアは私が考えたわけではなく、フィギュア制作のサイトで見つけました。一般的によく使う方法のようです。
田楽棒を使うのはオリジナルだと思いますが、私より先にやっていた人がいる可能性はありますので、別にオリジナルを主張する気はありません。使いやすそうだと思った人はどんどん試したり改良してみてください。