猫田に小判 -新館 -

Last Modified: 2024/04/14(Sun) RSS Feed

2019年の投稿21件]3ページ目)

2019年2月 この範囲を時系列順で読む この範囲をファイルに出力する


#陶磁器修理  #金継ぎ

うそぉ〜1月は投稿しなかったのかぁ。今、気が付きました。ネタはあったのに。
あけましておめでとうございます(今更)

ということで1月中に書くはずだったネタを投稿。

1月16日のYahooニュースに「国内で広まるライフハック 割れた陶器は、牛乳で煮ると元通りになる 本当に有効なのか調査してみた」という記事が出ていた。
ツイッターでは即日、引用リツイートで何の検証実験もせずに調査したとか書いて記事にしたらアカンでしょ、と書いたのだが、大切な事なのでこちらにも書いておこうと思う。

結論を言うと、磁器に牛乳という方法が無いわけではないが、元通りになるのではなく元通りに見えるだけで実用強度は出ない。あくまでも、捨てるのも何だし使えないけど飾ってインテリアとして楽しもうという西洋人の趣味で行われるものであって、日本の金継ぎのように、また食器として使うつもりでやっている事ではない。
更に実際に牛乳で煮る実験をした事がある私から言わせて頂くと、陶器では接着そのものが無理。一見付いたように感じるがすぐに取れる。しかも、牛乳を吸い込んで器が強還元焼成したように青く変色して戻らなくなるし処理後の乾燥が不十分だと匂いが取れなくなるので、絶対にオススメしない。というか、あえて言うなら、やっちゃダメ。なので手軽なDIYとして広めっちゃダメな案件。特に値段高めの和陶器はダメ。

私の記憶では、確かテレビでは「発掘!あるある大事典」で最初に紹介されたと思うが、その時は磁器のヒビを目立たないようにするといった内容で、割れた器が元通りになるとは言っていなかったと思う。その後、NHKの何かの番組でも見たが、それも実用については触れていなかったはず。
ちなみに検索したら私のブログでも2007,06,13でカゼインの接着についてちょっとだけ触れていた(どうにか接着に利用出来ないかなぁという話で、接着に使えるとは言ってない)。その前後にもカゼインプラスチックと接着への応用について書いた事があったように記憶しているが、検索に引っかからなかったのでブログ以外で書いたのかもしれない。

そもそも、調査してみたの割に検証も無く伝聞と推論だけでこういう記事を書くのは頂けないし、もう少し書くと「天然系接着剤は合成系に比べて耐水性が低い傾向がある」という一文も天然系接着剤の漆に失礼な話である。
米の研ぎ汁で煮ると器が焼き締まるという嘘話も未だに雑誌の特集で書かれていたり、陶磁器の間違った話はなかなか訂正されることなく広まってしまうのは陶磁器修理屋として本当に困った状況である。

<スクリーンショット↓>

ヤフーニュース

〔 1136文字 〕 編集

■全文検索:

■インフォメーション

猫田に小判 -新館- は、猫田に小判(使用していたCGIの開発が終了してしまったため更新を停止)の続きでやっているブログです。
気分次第の不定期更新です。3ヶ月に1回くらいで見に来て頂くと、更新している可能性が高いです。
ちなみに当ブログとほぼほぼ関連性の無い事か、ブログに纏める前のアイディア程度の浅い内容しか書きませんが、Twitterはこちら
コメント欄の無いブログCGIなので、ブログについてのご意見はTwitterのリプライやDMでお願いいたします。

編集

■日付検索:

▼現在の表示条件での投稿総数:

21件

ランダムに見る