猫田に小判 -新館 -

Last Modified: 2022/04/20(Wed) RSS Feed

タグ「陶磁器修理」を含む投稿[17件]

焼き継ぎには漆喰が使われているという話

No. 50 :
#焼き継ぎ #陶磁器修理 #徒然なる日記

以前に猫田に小判ブログ(旧館)でも書いて、noteのスピンオフでも書いたが、焼き継ぎは高温での固定剤として粘土が使われているという話。表面の接着に使われている溶けた白玉を取ると接着面に素焼きの粉と思われるものがあるのは確かなのだが、粘土に鉄分が含まれているため粉の色は茶色い。その他に白い部分もあり、白磁の粉でもここまで白くはならないため実は白いものが何なのかは謎だった。
それが一気に解明した(と思われる)ので書いておこうと思う。いずれ、焼き継ぎの完全再現が出来たら写真付きでnoteに書こうとは思っている。

解決の糸口は、焼き継ぎされた皿のガラスを取って金継ぎにしてほしいという依頼から始まる。
ガラスを除去するとバラバラになるので、このままにしておいた方が良いと話をしたのだが、それでもやってくれという事なので仕方なく修理を受ける事にした。
皿には欠損の充填を行った部分が2か所あり、ガラスをルーターで慎重に削っていたら中から白い粉がボロボロと結構な量で出てきたのだ。2か所とも同じ粉が出てきたのだが、加熱されたはずなのに固まっていない事から明らかに粘土の素焼きではない。一体、何の粉だろうかと見ていて、昔、二水石膏は窯で焼いて無水石膏になるのかというのを確かめるために石膏を焼いたことがあるのだが、その時の石膏の粉に非常によく似ている事に気が付いた。
これはもしかして石膏、あるいはカルシウム粉ということなのかと思い、石膏が江戸時代に使われていたかどうかを調べたところ、医療分野で使われ始めてはいたが一般に石膏として広く使われてはいないと分かる。では、他にカルシウム紛で使われていたものはないのかと調べたら、江戸時代よりもっと昔から漆喰が壁や瓦屋根の瓦の接着として使われていたという事が分かった。
興味深いのは瓦の接着。耐水性耐候性が高く熱にも強いので最適な素材だそうな。つまり、昔から耐熱物として認知されていたという事になる。ということは、器の接着に使っても当然不思議ではない。
江戸時代の資料には焼き継ぎ屋が器を修理している図というのがあり、四角い箱の中に山盛りの何かが入っており、修理屋は菜箸のようなもので器に何かを塗っているところを書いてあって、研究者曰く白玉を塗っているところらしいのだが、菜箸で破損面に何かを塗るのは中国の紫泥の急須を作る時に行っているドベ付けと同じなので、おそらく箱に入っているものは漆喰、それを菜箸のような棒に付けて、破損断面に塗っているというのが正解ではないかと思われる。

早速、ホームセンターで漆喰を買ってきて、スサが邪魔なので茶こしで振るって粉だけにしたものに水を加えてみる。説明書には漆喰100に水60と書かれていたが、この混合比だとかなりもったりしていて陶器を綺麗に接着するのは無理なので更に水を加え、何とか器を接着する。漆喰は空気中の二酸化炭素と反応して硬化するそうなので暫く養生のために静置する。なお、漆喰だけで割れた破片を繋いでいくのはかなり大変なので、漆喰には海藻系の糊が入っているらしいが、器を継ぐためにはもっと強めのでんぷん糊などを混ぜた可能性が考えられる。
1日養生させたところ、まだ完全に固まってはいないかもしれないが持ち上げても取れたりすることはないので、白玉を塗れる程度には固定されていると判断し、水で溶いたフリットを筆で塗る。以前にも筆で綺麗に白玉を塗るのは難しいと思い、化粧のイッチンのようにスポイトとかシリンジでやった方が良いと考えたのだが面倒なので筆にしてしまった。

かなり昔に買ったフリットのため焼成適正温度が何℃なのか忘れてしまったため、とりあえず素焼きの窯(800℃)に入れて焼くことにした。
明らかに温度高めじゃないかなぁとは思ったのだが、今回は白玉を適正温度で熔かす事よりも、漆喰が焼成に耐えて器の形状を保てるのかという確認がメインなので焼き継ぎの見た目の再現が出来なくてもOKということでやってみた。

結果、フリットは綺麗に溶けて透明になり、ほとんど分からない状態まで平滑になってしまったが、漆喰はしっかりと破片を固定しており焼成中に接着がズレる事も無かった。しかも、かなり焼き継ぎの継ぎ目の白さに近似していた。

焼き継ぎの固定剤には漆喰を用いたというのは、かなり濃厚な線、というよりもほぼ確定と考えて良いのではないかと思われる。
焼き継ぎの接着面の考察をした資料というのがあって、そこには破損断面に白玉があると記載されているのだが、恐らく白玉ではなく漆喰のカルシウム分という事で間違いない。白い粉なので白玉の溶け残りと思われているのかもしれないが、表面の白玉が溶けているのだから破損面の白玉だけが溶け残るとは考えにくい。

ということで、焼き継ぎの固定剤は、粘土または漆喰が使われていたのであろう。
左官では、漆喰に粘土を入れて使う事もあるそうなので、粘土または漆喰というよりも、漆喰に粘土を混ぜて使ったのかもしれない。この辺は、焼き継ぎ屋による差または地方により漆喰の扱いの差という事になるのかもしれない。焼き継ぎ屋は左官屋から漆喰を買っていた可能性も考えられるので、その地方の建造物に使われている漆喰と、同地方で見つかった焼き継ぎの接着断面を比較すると、案外、同じ状態だったりするのかもしれない。
まぁ、この辺は、その手の歴史専門家にまかせるとしよう。

〔 2271文字 〕 編集

#金継ぎ #陶磁器修理 #徒然なる日記

以前に、漆芸では刻苧を作るのに木粉と漆と米糊(または小麦)を混ぜるけど、この刻苧は陶磁器と相性が悪い。それで刻苧は敬遠していたけれど、錆に刻苧綿を入れた刻苧錆みたいにしたら良いじゃないかと気付いて、陶磁器の金継ぎの刻苧は「粘土(+砥の粉)+漆+刻苧綿+水」なんだ、という事で落ち着いたという話をいたしました。
あれから、耐水性や強度などを調べて確かに使えるという事は分かったわけですが、ただ、収縮でのヒビは無いし、乾燥後の曲げ荷重に対しても強い事も間違いないんですけどカッターで削った時になんとなく脆い感じがする。そりゃ、漆が染みこんで硬くなっているとはいえ刻苧綿は細い植物の繊維ですからカッターを使えばサクッと切れるのは当然なんですけれども、そこがどうしても気になる。曲げ荷重には強くても、根本的な硬度が低下してしまう事に何か解決策は無いかというのが懸案事項として頭の隅に残っていたわけです。

プラスチックの分野ではガラスやカーボンの繊維に樹脂を浸み込ませ、更に積層させて強度を持たせたFRP(繊維強化プラスチック)というものがあります。漆芸でも麻布に漆を浸み込ませて木胎の器の強度を確保する方法があって、カップの取っ手の修理などに使う人もいるようですが、それだと木粉の刻苧と同じで陶磁器との相性は悪い。じゃぁやっぱりガラスの繊維で強度向上かとは考えましたが、ガラス繊維というやつは軽いので作業中に散れたり舞ったりするし、皮膚に付くとチクチクしてかなり辛い。それに、万が一、ガラス繊維を入れた刻苧を飲み込んだりしたら胃壁にガラス繊維が刺さったりする可能性も無くはないわけで、FRPの作業をやったことがあれば誰でも食器につかうのは躊躇すると思います。FRPのトレーはあっても食器が極端に少ないのは、そういう理由もあるんじゃないかと思うわけです。
それで、何か他に良い繊維はないものかとネット検索していたら「鉱物繊維」というものがあると分かりました。鉱物を1400℃で溶かしてから射出して繊維状に加工したものらしい、と。で、そんな凄いものならちょっと買ってみようかと調べたら、建材のガラスウールの代わりとして売ってはいるんですけど建材だから量が多い上に結構なお値段。刻苧に使えるかどうかを試験するために買うレベルじゃないわけで、でもまぁ、買えるなら買って試してみようかと安いところを調べていたら、なんと、建材ではなく植物の水耕栽培用に固めたやつを売っていると分かりまして、植物を育てるためのものなら人体に悪いものも入って無さそうな気がするし、しかも1000円程度で手が出しやすい。送料入れても買える値段だしポチっとしようかと思ったんですけど、いや待てよ、園芸用品ならホームセンターの園芸コーナーでも買えたりするのではないだろうかと気付き、近所のホームセンターに行ってみたら1個だけ残っていた。しかも4ブロック入って500円。これは金継ぎの神の導きであろうと即ゲットして帰ってきました。

販売元は大和プラスチック株式会社ですが、ロックウールは立方体に固めてビニルで巻いてありビニルに「日本ロックウール」と書かれているので、もしかしたら日本ロックウールというところで作っているのかもしれないと検索してみたら、ありました。日本ロックウール株式会社。しかも、ロックウールについて歴史や作成方法や安全性など非常に多岐に詳しく説明されている。

日本ロックウール株式会社 www.rockwool.co.jp/

ロックウールの原料となっている高炉スラグも調べてみたところ、鐵鋼スラグ協会というところが高炉スラグの有効利用についていろいろと研究、発信しているということも分かりました。

鐵鋼スラグ協会 www.slg.jp/index.html

刻苧綿の代わりを探していただけのはずが、気付けば壮大なSDGsの世界に踏み込んでいたという状態。こんな凄い原料がすでにメジャーなものとして活躍していたのか。まだまだ勉強不足だなと反省いたしました。
まぁ、SDGs云々については日本ロックウール株式会社や鐵鋼スラグ協会に任せるとして、私としては

・陶磁器の食器の刻苧として安全性は担保できるのか
・当面、安定継続的に入手可能か

という2点をクリア出来るかという事が重要で、ネット情報をいろいろと読む限り、結論としては完全OKであろうという見解に至っております。

で、実際に錆にロックウールを混ぜて刻苧を作ってみたところ、混ぜる時にジャリジャリはしますが、植物繊維の刻苧と乾く速さは変わらず。更に固めてからカッターで削ったり紙やすりをかけてみたら、かなり硬いんですが鉱物繊維が切削の邪魔になるという事はありませんでした。

削っていて気が付いたのですが、ロックウールは鉱物なのだから、錆に外割で添加するのではなく、
「木粉+小麦+水+漆」

「ロックウール+粘土+水+漆」
と置き換えて作れるんじゃないかと思い、やってみたら普通に作れました。
私が理想とする漆以外の有機物無しの無機物の食器用パテ。これじゃないのか、と。

あ、そうそう、ロックウールはアルカリ性のため酸性に触れると溶けるとか分解するという記事を見つけたので、粘土や水を入れず、ロックウールと生漆を混ぜてからムロに入れて固めてみたのですが、ちゃんと繊維は壊れず固めることができました。漆はPh4.5の弱酸性ですが、漆の弱酸性程度では何も変化しないようです。

現在は、実際の食器との密着性や耐水性、ロックウール+粘土+水+漆の比率はどの辺が良いのかという事について調べております。
ほぼ方向性が定まったら、noteの「案外 書かれない金継ぎの話 spinoff 」に整理して書きたいと思っています。もし、このブログを読んで自分もロックウールを使っているとかロックウール刻苧を試験しているという方がいらっしゃいましたら、noteの記事に突っ込み入れて頂けると助かります。よろしくお願いいたします。

〔 2527文字 〕 編集

note 案外 書かれない金継ぎの話 ひとまず完結

No. 46 :
#徒然なる日記 #金継ぎ #陶磁器修理 #告知

4月にnote ブログサービスで「案外 書かれない金継ぎの話 」という金継ぎだけのブログを書き始めたという話をして、途中経過で、どれくらいアクセスが来たか書きましたけど、一応、全31回、11月19日公開分で完結したのでご報告。

読み返すと、もう少し順番を考えてから書いた方が良かったと思ったり、出来るだけ簡潔に文字数を増やさない方向で書いたので結果的に説明が足りなくなったという箇所もあったりするわけですが、順番は無理でも、細かい修正は時間を見つけてちょこちょこやっていこうと思っています。

11月29日時点での全期間ビュー1位は、第1回メリットとデメリット で283ビュー。第一回を書いたのが4月末で約7か月ということで一番長く掲載しているし、第1回から読んでみようということでビューが多いのは理解できるとして、2位が何故か第24回漆に糊を入れる理由 で265ビュー。取り合えず、この2つがぶっちぎりで多いけれど、第24回はスパム攻撃とかバグとか、あまり真っ当に読まれて増えた数という感じではないと思っています。というのも3位以降は、ほぼ掲載期間に沿っての順位になっているから。ちなみに3位は第3回 漆とは何か で156ビュー、31位は第31回 破損の修理4~下地作り・金蒔き~ で70ビューです。
概ね1週間で60~80ビューになり、1週間以降は微増していくという感じ。
なお、同一IPアドレスでもページを開けばカウント上がる仕様らしく、当然、自分で読み直したり書き直してもカウントされてしまうので正確に何人が見たのかは分からないんですけど、自分以外は何度も読むことはないと思うので、差し引き10くらいすれば読んで頂けた人数に近似するのではないかと思っております。

noteは24時間で5~6回集計されてダッシュボードというページで集計結果が分かるようになっているわけですが、記のようにユニーク数でのビューも分からないし、人力で数えて手打ちで入れてるの?と思うくらい更新時間がまちまちな上に集計から更新までに3~4時間くらいズレがあると思われる(更新時間の1時間前に何度もアクセスしたのに全く数値の変化が無い)ので、リアルタイムの変化を細かく分析したい人には向いてないサービスでしょうね。私はお金かけずに記事を残せればいいという目的で始めたので、べつにその辺はいい加減でも構わないんですけども。

という事で、以上、金継ぎブログの報告でした。

なお本当は、研磨が出来ない総金彩の器の修理とか、細い取っ手の修理とか、素焼き素地や軟質陶器の修理みたいな特殊なケースも書こうかと思っていましたが、かなりマニアックな修理話だし需要無さそうなので書きませんでした。けれど、来年になったら何かしら続きを書こうかなぁという気持ちもあるので、年末年始でどうするか考えようと思っています。

〔 1244文字 〕 編集

刻苧について悔い改めたという話

No. 43 :
#金継ぎ #陶磁器修理 #徒然なる日記

結論はタイトル通りで、刻苧さんごめんなさいという事で終了なんですけども、一応、悔い改めた理由を書いておこうと思います。

私、これまで漆とか金継ぎ関係の事については、ほぼほぼ書籍を買って読むということでやってきたわけですが、noteで金継ぎ専科の話を書くようになり改めてネット検索したりYoutubeを見たりして見分を深めるというよりは体系的に金継ぎ界隈ってどうなっているんだろうかと見直すようになりまして。なるほど、アメリカではエポキシに代用金を混ぜて貼り合わせるだけのキットを金継ぎセットとして販売しているのか、とか、日本でも金継ぎ体験で得た間違った解釈の理屈書いてあるなぁとか、勿論、ちゃんとした内容の金継ぎの説明サイトも増えているんだなぁとか、いろいろと勉強になっておりまして。

そんな中、今まで刻苧というのはずっと木粉と漆と続飯(または盤石糊)を混ぜたものだと思っていて、その組み合わせで作ったものは、大体が5年以内に反って変形したり、取れたりしていて、やはり植物主体は陶磁器とは相性悪いんだよなぁと思っていたわけですが、改めて刻苧を調べてみたら、まぁ刻苧の種類の多いこと多いこと。木粉じゃなくて砥の粉や地の粉を使った刻苧というのもあったりするわけです。
となると、刻苧の定義って一体、何なのかと。それで考えていて、あぁなるほど、そういう事かと気付いたのは、要するに錆漆はペイント剤、刻苧はモデリング剤という分類なんだろうな、と。当たり前といえば当たり前なんだけども。金継ぎでは案外、ペイント剤も積層させてモデリング剤として成立しちゃっているから、何となく曖昧な関係になっている状態だけども。

では、ペイント剤とモデリング剤の大きな違いは何なのかというと、繋ぎの有無。漆芸だと繋ぎは刻苧綿という事になるわけですが、要するに繊維質。これに尽きる。繋ぎが入っていれば、極端な話、そのほかの材料はどうでも良かったりするわけです。何故、繋ぎの有無が大切かというと、粉体は厚みが出ると収縮に伴ってヒビがいくから、それを防止するために繋ぎを入れる。つまり、本来はヒビがいく程度の厚みを想定しているものが刻苧なわけです。

それで、No.41のブログで書いた「粘土入れてもいいんじゃないか」案件に合致して、非常に納得がいったわけです。というのも、粘土を入れると厚みが出た時に大抵はヒビがいく。陶芸をやった人は乾燥時にヒビが入った経験は必ずあるものですが、錆も粘土単品だから当然といえば当然。普通はそれを防止するために陶芸界では珪石やシャモットを入れて調整杯土にするわけです。陶芸は加えるのが水分のみなので、かなりの厚みがあっても1か月置けば100%乾きますが、金継ぎの場合、漆を混ぜることが絶対条件。そして、珪石やシャモットを入れると何故か漆の乾きが鈍化したり、厚いものは乾かなくなったりする。粘土と砥の粉、あるいは、粘土と陶石の組み合わせ以外は多分に無理があるわけです。でも厚いとヒビがでる。このジレンマをどうしたらいいのかと思っていて、そこで刻苧綿。あぁそうか、刻苧綿を入れるとヒビがいかないのか、と。それで試しに粘土6と陶石4に刻苧綿を入れて4㎜でやってみたところ、全くヒビがいかない。しかも2日で乾く。インドやアフリカの調理用薪窯を作る時、窯にする粘土にスサを入れてヒビ割れ防止にしていたな。とか、いろいろな事が頭の中で一気に結びついて、金継ぎは、粘土と刻苧綿で刻苧作ればOKだったんだと妙に納得すると同時に、刻苧さん、今まで甘く見ていて本当に失礼いたしました、となったわけです。

人間、やはり勉強で脳をアップデートしていく事って大切ですわな。という話。

〔 1570文字 〕 編集

中国の陶磁器修理の話

No. 42 :
#金継ぎ #陶磁器修理

Youtubeで漆関連の動画を見まくっていて、そういえば陶芸も日本の動画を見まくっていたら、世界の陶芸の動画が出てきたから、そのうち世界の漆の動画も出てくるのかなぁと思ったら中国の金継ぎの動画が出てくるようになった(アメリカとヨーロッパの修復の動画はかなり前に見まくったので出てこない模様)。

違う内容の動画を見ると出なくなってしまうので、関連で出ているうちに見ておこうと見始めたら、結構たくさんある。同じ人が別な番組で特集されていたりするので、実際にやっている人が多いというわけではなさそうなんだけど、動画の本数としてはかなりある。多分、50本くらいは見たかな。

で、大きく分けると3つあって、1つはアメリカやヨーロッパと同じ完全修復の動画。まぁこれは専門職で凄いよな、と感心するしかないわけで、どう頑張っても私がマネできるレベルではないんだけども、面白いのは、中国は欧米と違ってスプレー使わず筆だけでニス塗までやっていて、おぉ何か中国っぽいと思ったりした。

もう一つは、鎹止め。日本では重要文化財になっている馬蝗絆という名前の青磁茶碗が有名で、絵では直しているのを見たことがあるけれど、私は「初恋のきた道」という映画で初めて動画を見て、映画も面白いんだけどむしろ鎹止めの技法がちゃんと最初から最後まで見られた事に感動したという思い出。その後、骨董屋で鎹止めの器を見つけて、完全に水漏れしない状態できっちり継いであって、いやぁ凄ぇな鎹止めと思ったんだけども、まさか、今も職人としてやっている人がいるとは。てっきり映画の中だけかと思ってたら、かなり詳しく解説していたりして、あぁなるほどそうやるのかと。ちなみに水が漏れないのは、どうやら隙間を石膏で埋めているからで、鎹だけで水が漏れないわけではないっぽい。中国語だけど、石灰という単語と、焼という単語があったので、おそらく焼石膏の話をしているんだろうなと。漢字が読める文化圏にいてよかったよ。インドの陶芸の動画とか、何が書いてあるか全く分からんかったからね。
最近では、ただ鎹で止めるだけじゃなく、台湾だと装飾アートとして芸術賞もらったり教授になったりというウェーブもあったりするみたいだけど、個人的には、ちょっと趣味じゃないかなぁ。あんまりゴテゴテしているのはねぇ。

で、最後に金継ぎの動画なんだけども、へぇ~日本と同じ方法なんだと思って見ていたら、解説の文章に「日本がどうたら」と出てきたり、漆を濾す紙に「吉野和紙」ってインサート入ったりして、なんだ日本の金継ぎを自国に持ち帰ってやってるだけなのかと、結構、興冷め。
しかも、どこで習ったのか分からないけども、かなり無茶苦茶なのもあったりして。中でもおぃおぃと思ったのは、接着用の漆を塗る前に卵白を断面に塗って乾かすという手順があるやつ。誰が教えたんだよ断面に卵白塗るって。漆に卵白入れるならまだしも(いや、それも継ぐ技術としては要らんと思うが)、何で断面に塗るんだよ、理由が分からん。卵白がプライマーになるという話も聞いたことないし。個人的には、断面に漆を塗るのも違うと思っているんだが。断面に塗るのは、たぶん、木工の木地固めの名残りだと思うが、陶磁器は漆より硬いぞ。低温の素焼きならまだしも、高温で本焼きした器に地固めしても強くならんと思うのだけどもね。ハウツー関連だと素地に漆が染みないようにするためとか、しっかり漆が食いつくようにとか、いろいろ理由は書いてあったりするけども、どれも恐らくは生地固めに対しての後付けで説得力に欠けると思う。分子間力とアンカー効果を優先するなら、断面には接着用漆を直に密着させるべきじゃないのかなぁ。あと、漆を断面に塗って焼くやつ。あれも漆の高温重合は金属で使う技術で、陶磁器ではやっても別に接着強度上がるわけじゃないんだよなぁ。と思うわけだが、やっぱり中国でもやっている人も居ました。まぁ、自己責任だから良いんだけども。

そういうわけで、修復と鎹止めは面白かったけれども、金継ぎはアカンかったなぁという話。金継ぎの技術というのは、日本独自なのか日本にしか残っていないものなのかもしれないねぇ。

〔 1748文字 〕 編集

■全文検索:

■インフォメーション

猫田に小判 -新館- は、猫田に小判(使用していたCGIの開発が終了してしまったため更新を停止)の続きでやっているブログです。
気分次第の不定期更新です。3ヶ月に1回くらいで見に来て頂くと、更新している可能性が高いです。
ちなみに当ブログとほぼほぼ関連性の無い事か、ブログに纏める前のアイディア程度の浅い内容しか書きませんが、Twitterはこちら
コメント欄の無いブログCGIなので、ブログについてのご意見はTwitterのリプライやDMでお願いいたします。

編集

■日付検索:

▼現在の表示条件での投稿総数:

17件

ランダムに見る