Daytona2月号の訂正について

遅くなりましたが、明けましておめでとうございます。
今年ものんびりと更新いたしますので、気が向いたときにアクセスして下さい。
2ヶ月に1回くらいのペースでアクセスしても十分に追いつける程度の更新で頑張ります。(それを頑張っていると言うのには無理がありますが)
さて、本題。
土、日曜日と祝日は陶器の修理は休みにしている。理由は益子で陶芸教室の仕事があるからだが、電話は携帯に転送させているので、どこにいても電話はかかってくる。いくら休みと言っても、四六時中、問い合わせに応じなければならないのは自営業の辛いところだ。
それはさておき「デイトナを見て電話したんですが」とのこと。
え、デイトナって何だっけか?
電話が終わった後に、ゆっくりと考えて、そういえば年末に修理の取材を受けていたのを思い出す。掲載前に誤字や手順間違いがあると困るから連絡がほしいと言ってあったのだが、何も連絡が来なかったので、てっきりボツになったと思っていたら、どうもボツではなかったらしい。
慌てて閉店前の本屋へ飛び込み、Daytonaを見つけて買ってきた。
取材する方がとても修理を勉強されていた印象があったので、以前に取材を受けた毎日新聞のような心配はしていなかったのだが、う〜ん、やはり誤った記載が。一応、取材を受けた責任もあるから、訂正箇所を指摘しておこうと思う。
Daytona 2011/2/No.236の103ページ
「05飲み口の欠けなどの補修」内。錆漆の説明で「漆、水、グルテン粉、砥粉」を混ぜると書いてありますが、私の場合は「漆、水、砥粉」だけでグルテン粉は加えません。
理由は、グルテンを加えるとわずかに弾力性が出てしまうことがあるため。グルテンを加える方が粘着性は出るかもしれないが、下地としての硬度を考えると、加えないほうが良いとの判断からです。ただし、修理する人によっては、下地硬度よりも粘着性を重視し、小麦を少量加える人もいるようです。
「06金色が映えるように下地を塗る」内。赤漆の説明で「漆、水、グルテン粉に弁柄」を加えるという記載がありますが、水とグルテン粉は加えません。特にグルテン粉(小麦)は、おそらく加える人はいないと思います。やってみれば分かることですが、粘性が強すぎて漆が伸びず、筆塗りが出来なくなりますので。
水については、私は加えないのですが、ブログで前回記載した通り、場合によっては外割10%以下の添加は可能です。
「07そして金粉をハラハラと」内。金粉は「まぶす感じで」と記載されていますが、まぶすという表現はちょっと違うような。
限られた字数内で表現しなければいけないので、この表記は仕方がないと思いますが、正確には、金粉を蒔いた後に、毛棒で履き払い、真綿の表面だけで優しく磨くという手順になります。金粉は粒子の大きさにもよりますが、銀や銅に比べると粒子が重くて大きいので、粉を掛けただけでは綺麗に定着せず、金色になるはずが、下地が露出して汚いに仕上がりになってしまいます。
それから05と06の間に、本来は、余計なグルテン漆を削ったり、錆漆を削って形を整えた後に隙間を漆で埋め、さらに研磨して平面を作る作業が入ります。工程としては、この作業を2〜3回繰り返します(平滑面が出来るまでやるので、場合によってはもう少し多いこともあります)。
これをやって下地の平滑性を確保しておかないと、金を蒔いた時に凹凸が目立って美しさに欠けるだけでなく、擦れたとき容易に剥離してしまうことがあります。器そのものの接着強度には影響しませんが、金を扱う上では重要な工程です。
取材中に説明はしたのですが、紙面の都合上、割愛されたようです。
以上。
その他は、とても素晴らしい文章で、修理について取材後もいろいろ勉強されたことが伺えまます。頭がさがる思い。修理後の写真も美しく、さすがプロの撮影はすごいなぁと感心しました。
ブログでは文章だけで写真を載せたりしないので、どんな感じに出来上がるのか見てみたいという方はDaytona(たぶん全国紙)を御覧ください。

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