爪みがき

完全に更新止まってますけど、もうね、なんていうかず〜っと風邪。4月の頭に風邪をひいて、やっと治りかけたかなぁと思ってゴールデンウィークに突入したら、益子陶器市の陶芸体験で、ゴッホゴッホ咳をしながら作陶している子供さんがいて、こりゃ移ったらヤバイなぁ、なんて思ってたら、その日の夕方から急に鼻声。で、次の日に38度の熱。それでも益子のバイトは休めないから無理して仕事をしたら、ゴールデンウィークが終わっても咳が止まらないし全然治る気配なし。で、いまだに鼻声。まいったね。いくら歳を取ると回復力が落ちるとはいえ、これは落ちすぎでしょう。どう考えても。
おかげで修理の仕事も、まぁ、進まない進まない。何しろ集中力が出ないから仕事が持続しないし。
と、体調の話ばかりしていると完全に年寄りの会話みたいだし、そんな話を読んでも面白くないと思うので、今日は修理の話。なんだよ、また修理かよ。という方、申し訳ない。何しろ仕事して寝ての繰り返しだけで、それ以外のネタが無いんだよね。
というわけで、さっそく本題に入ると、かなり前に紙ヤスリの話をしたと思う。陶器の修理は基本的に漆や樹脂を盛って、それを紙ヤスリで研磨するということの繰り返し。しかし、紙ヤスリの表面に付けてある研磨粒は、釉薬よりも硬度が高いからどんなに気をつけても作業中、器の表面に微細な傷を付けてしまう(もちろん、こだわりの部分での傷なので、普通に見たら傷に見えないレベルなんだけども)。樹脂以上でガラス以下の硬度の紙ヤスリは、どうして誰も作らないのだろう。ってのが、その時の話。まぁ、考えてみれば中途半端な硬度の紙ヤスリなんて需要が少ないだろうし、ヤスリってのは基本的にガシガシ擦れる必要があるから硬度は高いに越したことはない。たぶん私の研磨技術が上がってくれば、絶妙な力加減で傷なんて入らなくなるかもしれないと思ったりもしてみた。けれど、やはり修理箇所の周りには、よ〜く見ると傷が入る。これはもう物理的なものだから仕方がないと諦めていた矢先。まさしく偶然に見つけてしまった格好の道具。それが「ガラスの爪みがき」。いやぁ盲点だった。まさかネイルアートの畑に、私が求めている道具があったとは。ボヘミアンガラスの本場、チェコの職人が作った強化ガラス製の爪みがき。試しに買って修理に使ってみたところ、樹脂はスルスルと削れるのに器には全く傷が付かない。まさしくガラスの爪磨きは樹脂以上でガラス以下の硬度の研磨道具。しかも爪みがきだから樹脂の削り後はかなり奇麗だし、研磨力が落ちたら水洗いすれば元通り。更に、水研ぎもOK。う〜ん文句無し。もう、紙ヤスリには戻れな〜い。
しかし、爪みがきにも弱点はある。その形状だ。本来、爪を磨くためのものだから形は当然、板状。だがこれでは器の外側は削れても、内側が削れない。あと少しでいいから、先端が曲がっているガラスの爪みがきって出来ないだろうか。ガラスなんだから、作る時に先を曲げるのぐらい簡単なはずなんだけど、爪を磨くのに先端が曲がっていたら逆に使いにくいだろうから、需要は少ないよな。まして、それを器の修理に使おうなんて考える人間は、おそらく一桁。
あぁ、どなたか優秀なガラス職人の方、曲面の内側を研磨しやすい強化ガラス製のヤスリを作ってはくれまいか。1万円くらいなら頑張って出します。あるいは、先端が強化ガラスのルータービットでも構いませんけど、ってそっちのほうが需要が少ないか。
ま、とにかく時間が出来たら、こんどはネイル屋さんを見つけて入ってみようか。へんなおじさんがネイル屋さんで爪みがきとか品定めしてたら、かなり変な目で見られそうだけどな。いや、ここは仕事の鬼になって世間の目など気にせず根性すえねばなるまい。何しろ素晴らしい修理道具であるのは間違いないんだし。