鞭とぬるま湯

ここのところ、レディオベリー(FM栃木)の朝の番組や、日刊ゲンダイで陶器の修理を紹介していただけたりと、宣伝については、かなりラッキー状態が続いている。有り難いことだ。が、凪のない無風状態の海のように、反響の「は」の字もない。ラジオと日刊紙を合わせれば、少なくとも1万人くらいの人間が「陶器の修理」という言葉に触れているはずなのだが、全く琴線に触れていないらしい。陶器を修理することに対する興味というのは、日本人の0.01%未満ってことなのか。そりゃ陶器の修理業が江戸時代で廃れるのも無理ないなぁ、と思う。
それはそうと江戸時代に限らず、陶器の修理業を始めて1年半が経過したが、最近、現在の事業形態ではどんなに修理を請け負っても事業としての儲けは出ない、ということに薄々気付き始めた。修理に際して1個いくらで料金を請求するというのは、要するに小売業と同じ方程式だ。現代において、修理業というのは小売り業の方法論では、たぶん事業として成立しないように思う。「陶磁器の修理請け負います」という本の中で、著者が、修理を仕事にするのは無理だという意味のことを書いていたが、概ね、それは間違いではない。修理を商売にするなら、小売業とは全く違う方程式を考えだすことが必須と言える。
今、修理品は、常時10〜15個をかかえる。個人経営で、さらにたった一人で修理作業を行うことを思えば、この数はかなり多いと言っても過言ではないと思う。破損状態の悪いもが多くなれば、この半分の数でも休日返上の日々が続くかもしれない(今も何だかんだで休みは有って無いのと同じだし)。じつは一時期、これ以上を請け負ったことがあるのだが、完全にオーバーワークで納期が遅れ、お客様に多大な迷惑をかけまくった。小売店や飲食店なら効率性や客の回転率を上げることで利益倍増を期待できるのかもしれないが、修理というのは効率を上げるといっても微々たるものだし、どんなに技術が向上しても、接着剤や漆が硬化するための待ち時間を高速化するのは現状、物理的に無理だ(いや、硬化時間を短縮化する方法は、いくつか見つけたのだが、日常使用での実用強度を考えると、短縮化は難しいように思う)。
しかも、これが重要なのだが、ここまでオーバーワークをしても1ヶ月の修理代の売上げはせいぜい3万円前後。単純計算で日給1000円。朝から晩まで仕事をしている時もあるので、そう考えると時給100円である。修理代が2500円は高いとか言われることがあるが、だったら時給100円でおまえは働く気になるのか、と言ってやりたい(言わないけど)。私の場合、この他に陶芸講習会と益子のバイトがあり、かつ自宅で仕事をしているので、ギリギリで経費トントンなわけだが、店舗を構えての修理専門業務はどう考えても無茶ということになる。
そこで、今、何とかこの無茶な状態を脱するべく、修理業の新しい方程式を考えていて、益子でバイトをしながら、ちょっとずつアイディアを言って反応を見たりしているのだが、反応最悪うぅぅぅ。正直、使い捨て文化のぬるま湯に浸かって陶芸屋は根っから腐ってきているんじゃないかと言いたくもなるが、まぁ、私のアイディアがまだまだ未熟だということは多大に考えられるので、そこは我慢してもうちょっと考えを煮詰めれば状況も変わるだろう。新しい方程式を考えるというのは、非常に難しい。新しい方程式を見つける数学者ってのは、ほんとうに頭がいいんだなぁと変に感心したりする。
ところで話は変わるが、少し前に漆屋さんと話をする機会が出来て、金継ぎの話になったのだが、陶器の接着で麦漆(小麦粉と漆を混ぜた糊)を使っていないという話をしたら、ビックリ仰天された。麦漆を使わない陶磁器の接着方法が全く思いつかないんだそうな。漆屋さんも、技術のぬるま湯に浸かっているな、と思った。
これまでの経験から言わせていただくと、陶器修理専門の漆技術に小麦粉は邪魔だ。陶磁器の金継は、ここから見直すべきじゃないかと思う。

5件のコメント

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