乗り切る

長崎屋フリマ箱の1周年感謝イベントの陶芸体験が本日終了。本当に客が来るのかと半信半疑だったりして、客が来ない夢なんぞ見て少しブルーになっていたのだけれども、4日間でそこそこ集まった。有り難いことだ。
それにしても、今回は正直、きつかった。呼ばれれば何処でもどんな状況でも陶芸体験をやりますという口上を謳って仕事をしているが、それはかなり過酷だということを思い知らされた4日間であった。
その理由はいくつかあるのだが、まずキツかったのは作業時間。今回の企画は1時間で器を一つ作るというもの。1時間と聞くと長いように感じるが、器を作る時の1時間というのは、実を言うと中途半端でペース配分が難しい。というのも、これまでの私の経験では、単発企画でそれなりのクオリティの器に仕上げる場合、自己紹介や説明を含めると、板作りや玉作りなら45分、きちんとした紐積みなら90分という配分が初心者向きだと感じていたので、60分は帯に短しタスキに長し。説明や作業時間を無理に長短させると、けっこう空気がダレれて作陶の充実感が薄れてしまうことが多い。しかし曲がりなりにも私は自称陶芸体験のプロである。60分と言われた以上は、きっちり60分で楽く作って高いクオリティの器を仕上げなければならない。さてそのためにはどうしたものか。というわけで、今回は益子のバイトで経験した玉作り&紐作りのハイブリット制作を導入。しかし自分一人での練習は問題ないとしても、陶芸初体験の方を相手に作業を進めるとなると、経験が少ないので勝手がつかめない。それでも3日目には(腕時計を見ながらではあったが)それなりに進め方のコツがつかめるようになったけど。
次にキツかったのは、暖房全開&低湿度の作業環境。作品を急速乾燥させるには最高の条件だが、初心者が作業をする場合これはかなり厳しい。初心者というのは押し並べて一つ一つの作業がスローで、さらに粘土を必要以上にベタベタと触ってしまうという特徴がある。そのため、粘土で紐を作ってる間に本体の乾燥が進み、紐が出来上がるころには表面の粘土がパサついているという状態。粘土の水を増やして調整してみたが、室温が高いと体温も上がってしまうので、暖まった手で粘土を触り続けるために乾燥が加速。粘土の水分調整だけでは如何ともしがたい。ということで、2日目から高温低湿な環境下でも器を作れるように、作業プロセスや説明方法を全面的に見直すことになった。まぁ、これも何とかなったと思う。
そして最後が、高温低湿の環境で60分間、説明のために話をしたせいで初日に喉を痛めたこと。2日目の朝、起きたら喉は痛いし声は枯れているし鼻は詰まっているのに鼻水出るしの4重苦の絶不調。暖房の効いたデパートは否応無しに体力を奪う。今までの自分ならば間違いなく風邪にシフトし、他の陶芸教室スタッフに仕事を任せていたと思うが、自営業となるとそうもいかない。途中のコンビニで栄養ドリンクと喉用ドリンクとビタミン剤とカロリーメイトを買い、さらにファミレスでステーキなどを注文して全て食し、加えてこまめにうがいを励行した。人間の体力というのは大したもので、これだけのケアーを行ったら3日目の午後にはかなり持ち直した。しかし、おかげで儲けの多くが体力回復のための資金になってしまいましたな。ショォォック。
と、そんなわけで、かなり大変な4日間であった。だが、おかげさまで60分で器を作るノウハウも分かったし、体力回復の仕方も習得したし、それなりに得るものは大きかったと言えるだろう。あとは、60分で作った作品が全て問題無く乾燥するのかどうか。何しろ、あの環境で、しかも慣れていない説明とハイブリット制作法で作った器だ。これまで体験で作った器とは、おそらく土の状態がかなり違うはず。今の季節は1週間前後で作品乾燥が安全圏内に入ることは分かっているので、今日から1週間は、また眠りの浅い日々が続くことになりそうだ。

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