物がない

 家族全員病気持ちで婆さんの面倒を見る人間がいないということで、ちょっとばかり已む無く帰省してきた。完全帰郷のウォーミングアップとしては良かったのかもしれない。
 それにしても栃木は田舎だ。
 早朝に帰って来いというので、朝の6時に東京を出て、8時に地元に着いたのだが、駅前に全く朝食を取れるところが無い。おいおい、ここの人間は、朝、どこで飯を食っているんだ?歩いて5分以内に必ずと言っていいほど24時間チェーン店のある東京に慣れすぎた俺が悪いのか。仕方が無いので空腹のままバスに乗って実家へ。
 飯を食って婆さんのところへ行くと、婆さんが自分の作った押し花を襖に貼りたいと言っており、今度は文房具屋で買い物をすることになったのだが、これがまた物種が少ない。文房具オタクで東急ハンズに週一で通っていた私にとって、この物種の少なさは涙が出る。子供の頃は、これでも物量に喜んでいたはずなのだが、東京慣れした俺が悪いのか。
 とにかく数日の栃木暮らしは、物資調達の不便さを嫌というほど思い知った。荷造り中に田舎でも入手可能と判断したものはボコボコ捨ててしまったのだが、ちょっと考え直さなければいけない。ネットで入手可能とはいえ、すぐに必要物を手にとることが出来ない不便で、しばらくは鬱になりそうだ。