陶芸どう?『辛子陶器』

過去2回に渡り、陶芸メーカーと銀行に喧嘩を売ってみた。ちなみに私は喧嘩好きでもないし、喧嘩っ早い人間でもない。多少、吠える性格は持っているかもしれないが、基本的には明鏡止水で温厚な人柄ということでご了承頂きたい。と断っておいて、またしても喧嘩を売らせて頂く。
私の家のどんぶり(勿論、自作)の中には、現在、溢れんばかりの辛子のパックが入っている。それも2杯目。原因は実に単純な話。私は納豆好きのため、夜は大抵、無洗米に遺伝子組み換え大豆未使用の納豆を掛けて夕食としている。(ちなみに、無洗米はズボラで買っているわけではなく、エコロジー的な観点からあえて買っているのでお間違いなく。)この時、辛いものが苦手な私は、同封されている辛子を使わない。捨てるのも勿体ないので、結局、どんぶりに貯めているうちに一杯になってしまったという状況だ。
いつ崩れてもおかしくない辛子の山を見ながら、いつも思うことがある。「何故、納豆を買うと辛子が同封されている?世の中には、こうして使われない辛子パックが何万個あるんだろうか。辛子に関しては何も考えてねーな。納豆メーカー。」
無論、納豆に辛子が付き物と思う人が多いことは認知している。しかし一緒に同封されているタレの袋と見比べてみてほしい。タレには必ず「納豆のタレ」と書かれているが、辛子には「納豆の辛子」とは書かれていない。つまり、タレは、これから食する納豆のために同封され、そこには多少、納豆メーカーのタレに対する味のこだわりみたいなものがあるのかもしれないが、辛子はあくまでも付け合わせであって、おそらく味の厳選も行われていない。
大してこだわりも無い代物をサービスのつもりで付け合わせるな。と文句を言わせて頂きたい。消費者も馬鹿じゃないんだから、辛子くらいは別に買えばいい話で、善意のつもりかもしれないが、消費者を多少、嘗めているのかと、私などは思ったりもする。
そこで唐突だが陶芸の話だ。辛子というのはカラシナ類の種を乾燥、粉末にさせたもので、これを湯で練り、冷えないように保温させておくと抜群の風味の練り辛子になるんだそうな。辛いものが嫌いな私でも、こう聞くと、一度は美味い辛子を食ってみたいと思うわけで、では、美味い辛子をいつでも食うためにはどうすれば良いか、と考えた結果、「辛子用陶器を作ってはどうか」と思いついた。
つまり、小降りで密閉性の高い陶器製の粋な辛子入れを作り、これを販売してはどうか、という算段。陶器なら保温性の面でも申し分ない。もっとも、単に辛子入れを作って売ればいいと思っているわけではないし、その容器に自分で辛子を作って入れようと思っているわけでもない。もっと相互産業としての発案だ。
仮に辛子入れを辛子陶器と名付けておこう。商店街の香辛料屋さんでもいいし、デパ地下でもよいと思うのだが、とりあえず2〜3日置きに練り辛子を作って売ってもらうことにする。更にその店舗に頼んで、この辛子陶器の販売もお願いする。辛子陶器を買ってくれた方は、辛子陶器を持参すれば、いつでも店で作り立ての美味しい辛子を購入できるという相互システムを作る。陶器で無くても良いのかもしれないが、そこは、販売店の辛子に対する味のこだわりとプレミアム性を考慮し、あえてユーザーニーズを考えてモダンなものから伝統産業的なものまで数種類を用意した陶器としたい。
こうすると、辛子陶器を作ることでチューブやパックにかかる無駄なゴミも減らせるし、必要なだけの辛子が必要な時に手に入る。しかも、店が素材を厳選した作り立て辛子だから非常に美味い。1986年に宣言され、最近では日本でも聞くことの多いスローフードにも多分に通じるものがあるだろう。辛子という「御馳走」のためのデザイニング。容器を陶器製にすることで、需要と供給の双方にメリットが生まれると思うわけだ。
で、実はそれを香辛料メーカーではなく、納豆メーカーが率先して可能にして頂きたいと思ったりしている。(勿論、納豆パックに辛子を付けないのを前提としての話。)どうだろう。納豆メーカーの方。水戸あたりでマーケットリサーチとしてやって頂くことは出来ないだろうか。茨城県なら笠間市という陶器産業もあることだし。地場産業と伝統産業を生かした一石二鳥の経済効果も狙えると思ったりするわけだが。
あえて辛子を例に出したが、食材というのは基本的に厳選した素材感や高級感を求めようとすると相互的な産業構造を作りやすい。ダイオキシンや遺伝子組み換えなど、難しい言葉には反応する人は多いにもかかわらず、どういうわけか食における相互開発販売システムというのは、あまり発達してこないような気がする。というわけで、今回は納豆好きとして、とりあえず納豆メーカーを勝手に応援させて頂いた。

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